努力は必ず報われる、といわれる。本屋に行けば、長年努力を重ねた末に事業で成功した人が書いた自伝が並んでいる。努力すれば必ず報われるのだろうか?
この場合は「欠落したケース(場合)」を考えてみるべきだろう。
欠落したケース(場合)
一般的には二つのケースを想像すると思う。
(1)努力したので報われて成功した。
(2)努力を怠ったため、成功しなかった。
しかし、本当は(3)努力したにも関わらず失敗した、(4)努力しなくても偶然や環境のおかげで成功したという結果もあるはずだ。
人間はこの(3)と(4)を忘れがちだ。
成功するにはただ努力すればいい、という訳ではない。
周りを見渡せば、親の財産を活用して有利な条件でビジネスを行い成功した人や、真面目に頑張っているのにいつまでもうだつの上がらない人もいる。
私は努力というのは成功の確率を上げるためのもので必要であるが、努力そのものが必ずしも成功を約束するものではないと考えている。
(3)や(4)のケースは理不尽だと思うものの、世の中とはそういうものなので仕方がない。
#努力の方向性についての話はまた別の機会に書く。
コンサルタントとしての考え方
企業経営はさまざまな要因が絡み合い、同じ事をしたとしても結果は大きく変わる。
コンサルタントとしては、自分の指導により企業の業績が改善したと誇るだけでなく、前述のパターン(4)「指導しなくても偶然や環境・経営者の努力のため勝手に成功した」可能性もあることを念頭に置き、謙虚な姿勢で居なければならない。
コンサルタントにできることは、企業経営にとってはごくわずかなことだ。
成果を生むのは経営者を始め従業員の行動によってであり、脇役のコンサルタントはあまり表に出るべきでないと思っている。