ある調査によれば、アイスクリームの売上が増加すると、その町での犯罪発生率は上昇するらしい。ということは、アイスクリームには人は凶暴にさせる成分が入っているのだろうか?
アイスは人を凶暴にするのか?【第三変数の無視】
もちろんそんなことはない。
このような間違いは「アイスクリームの売上げ増」と「犯罪発生率の上昇」の両方に影響を及ぼしている「気温の上昇」を見逃したために起きる。
気温が上昇すれば、アイスの売上げが増える。気温が上昇し過ごしにくくなれば人はイライラし、犯罪の発生率も増える、という理屈になる。
人間は、ある出来事A(ここではアイスの売上げ増)と同時に出来事B(犯罪発生率の上昇)が発生すると、短絡的にその二つを結びつけて「AだからBだ」と判断してしまう傾向がある。
AとBに影響を及ぼしている出来事C(気温の上昇)が存在しないかどうか、立ち止まって考えてみることが重要だ。
コンサルタントとしての考え方
コンサルタントの現場では、素早い判断が求められることがままある。
場合によっては、その判断が企業、社長、社員の命運を分けることだってある。
目の前で起きている出来事の関連性は本当にあるのか、見逃している出来事があり、それが間接的に影響を及ぼしていないかどうか、冷静な視点から判断しなければいけない。
コンサルタントは自分の発言に対して、なぜそう言ったのか理由の説明が常に求められる。
「なんとなく」や「経験からくるカンで」などとクライアントに言うのであれば、その人はコンサルタントではなく、単なる占い師だ。