「お客さまの笑顔がやりがいです」
いい言葉だと思うし、心からそう言っている人は見ていて気持ちがいい。
ただ、お客さまの笑顔や上司の評価などを「やりがい」や「生きがい」にすることにはちょっとやっかいな問題がある。
他人の心情はコントロールできない
他人の心情はコントロールできない。
こちらの意図が曲がって受け取られることもあるし、
そもそも最初から敵意を持って接してくるお客さまだっているだろう。
そのお客さまは、あなたのサービスに不満があるわけではなくて、
朝の夫婦げんかで期限が悪くなっており誰かに八つ当たりしたいだけなのかもしれない。
サービステクニックを磨いたり、心理学や接遇術を学ぶなどして「お客さまが満足する」確率を上げることは可能だが、100%になることはありえない。
いささか単純化した式で表すと、
となる。お客様の状態とは、前述の心理的な面だけではなく、当該サービスに対する知識レベルの高低なども要因となる。
自分の技術をどれだけ向上させたとしても、お客様が「たまたま」機嫌が悪かったり、
そもそも性格が悪かったりすれば、やりがいの源泉である「笑顔」は得られないだろう。
偶然にもそのようなお客が4件続いたとしたら、もうその担当者はやる気をなくしてしまうのではないだろうか。
コントロールできることに集中する
お客様の心理状態や知識レベルはコントロールできないのだから、そこにやりがいを求めるのではなく、「自分の技術」の向上に求める方が良い。
(ここでいう技術とは、サービステクニックだけでなくコミュニケーションスキル等も含む。)
自分の技術の向上が常に感じられる仕組みを作り、そこに「やりがい」を見いだせば、
偶然の要因によってやる気をなくすという事態は避けられるだろう。