「全てはつながっている」よく聞く言葉だ。
役に立たないと思っていた知識が、ふとした時に有益となる。
会合で偶然出会っただけの人が、長く一緒に仕事をするパートナーとなる。
金にならない仕事と思っていたら、そこで学んだ経験が後で大きな収益を生み出す。
ある冊子に書いたコラムが、大きな仕事を引き寄せる。
全てはつながっている。不安定な中小企業の社長をしていると、
日々実感することだ。
「引き寄せの法則」などという言葉は信じてはいない。
ただ単に試行の回数が多ければ、それだけチャンスに出会う確率も上がるという
数学的な話でしかない。
その繋がりは一様ではない
その繋がりの強度は一様ではない。
他のことにまったく影響を及ぼさない行動もあるし、
マイナスの効果をうむ「繋がり」だってある。
繋がりに影響を及ぼしているのはあなただけではない。
たくさんの人達がそれぞれの思惑で、日々繋がりを更新し続けている。
なかには悪意のある人だっている。
いまの行動が良い繋がりになるのか、それとも悪い繋がりになるのか、
容易には判断できない。
ある程度の時間が経ち、来し方を振り返った時に見えるものなのだろう。
混ぜてはいけない
繋がっているが、混ざってはいない。
それぞれの事象は独立して存在している。
互いに影響を及ぼし合っているものの、
混然となり、一体となっているわけではない。
不幸な出来事が重なったのは単なる偶然で、
前世の宿業でも、自分の行動の結果でもない。
変な風につながってしまっただけで、それを混ぜて考えてしまうと、
間違った解決策にたどりついてしまう。
全ては繋がっているからと、大づかみに捉えてはいけない。
混ぜると、何が原因かわからなくなるからだ。
まずは分ける。要素に分割する。
そしてそれぞれの繋がりを考える。
そうすれば見えてくるものがある。
何を動かせばいいのか、どの繋がりを変えればいいのか。