自分の意志の弱い、依存的な人になら、
力強く言い切った断定調の言葉が頼もしく感じられ、
影響力をもつということはある。だが、自分の考えをもっている人の場合、
断定した言い方をしても、強い抵抗に遭うだけだ。
むしろ断定を避けた言い方にした方が、
感情的な抵抗が生じない分、心に届きやすいのである。-マインド・コントロール 増補改訂版/岡田尊司 著
断定的な口調が苦手だ。コンサルとして、そういう口調が求められているシーンでも、ついつい留保条件を付けてしまう。
中小企業の経営者も様々で、皆が皆、意志の強い人間というわけではない。
依存的な人間も居ると思う。そういう経営者には、断定口調ではない私の言葉は刺さらないのかもしれない。
営業活動の際にも「必ずしも当社に依頼する必要はありません。自社でできるならそれが一番でしょうし、他のコンサルと比較してもらってもよいです。」といつも伝えている。実績のアピールと、努力しますということは伝えるが、「絶対」という言葉は使ったことがない。
太陽が東からのぼる、といった科学的な現象は断定していいだろう。(これも厳密に言えば、未来永劫そうとも限らないのだけれど)
ただ、変数の多い経営という人間の営みにおいて、断定できることがどれくらいあるのだろうか。
断定した方が自信たっぷりに見えて、自分の業種としては有利なのはわかっているけれど、どうしてもそうできない。
上記で引用した本の一節を読んで、断定を避けた自分の物言いも、自分の考えをもっている人にはしっかりと届くのかもしれないと気が楽になった。
これからもこのやり方を続けようと思う。自信がないように見えるかもしれないけれど、それが自分のスタイルなので、仕方が無い。