分母を調べろ

数字、数学、パズル

若者の海外旅行離れという言葉がある。
最近の若者は海外旅行をして見聞を広めることをせず、近くで遊んでばかりいる、けしからん!という文脈だ。

ネットに出ているいろいろなグラフを見ると、確かに若者の海外旅行数は目に見えて減っている。
やはり、若者の海外旅行離れは真実なのだろうか?

他の影響はないか?

グラフを見るときには、母集団、つまり分母を確認しなければ、本当のことはわからない。
この場合はヒントは少子化だ。

言うまでもなく、少子化により若者の数は減っている。
1997年対比で20代人口は約650万人低下したそうだ。
(データサイエンス「超」入門 松本謙太郎著より)

分母が少なくなれば、海外渡航者の絶対数は減る。
人口比で見れば、むしろ20代の海外渡航割合は増えているとの調査もあるくらいだ。

分母を確認する

母集団を確認しなければ、データの意味するところはわからない。
アンケート調査なら、電話なのか訪問なのか、ネットなのか街頭なのかが
その結果に影響する。
電話であれば、日中なのか夜間なのかでも変わってくるだろう。

データを鵜呑みにするのではなく、
「さて、このデータの分母(母集団)は何だろう?」と
一段深く考えてみれば、逆の結論が出てくることさえある。

関連記事

  1. 全ては苦しみ?

  2. 働き方が悪いだけの話さ

  3. 間違った道、方向

    推測と実験結果が一致しないなら、それは間違っている。

  4. アイデア、ビジネスプラン、歯車

    やる気ではなく仕組み

  5. 攻撃性を減らすには

  6. クールヘッド、ウォームハート

最近の記事

  1. 2024.10.03

    諸行無常
  2. 2024.10.02

    メメントモリ
  3. 2024.10.01

    百日紅

読書記録(ブクログ)