手段に拘るあまり、目的を見失ってはいけない。
橋のデザインはどうしよう?
ここに河がある。渡るために橋を架けよう、と誰かが言った。
橋のデザイン(ここでは意匠だけでなく設計の意味も含む)に拘る。
やれ木造がいい、鉄筋がいい、トラス(三角)構造がいい、いや吊り橋だ、
色は赤がいい、グレーがいい、幅は2メートルでいい、いやもっと必要だ・・・・・
こういった議論は楽しいのだけれど、答えがないことも多い。
#橋が赤いかグレーかに回答なんてないだろう。
で、誰かが言う。「そもそも何の為に橋を架けるのでしたっけ?」
そう、橋を架けることは手段であって、目的は河を渡ることだった。
ならば、舟で渡ればいい。
少し上流に行けば徒歩で渡れる浅瀬があるかもしれない。
迂回すれば、河を渡らずに向こう岸にいけるかもしれない。
道具はうまく使えさえすればよい
ビジネスもそうだ。
やれDX(デジタルトランスフォーメーション)だ、テレワークだと喧しい昨今だけれど、それは手段であって、目的ではない。
そこを認識しておかないと、テレワークに使うツールについて長々議論する羽目になりかねない。
無駄とは言わないが、そこに時間をかけても得られる効果は少ない(つまり、効率的ではない)。
ツール(道具)は、うまく動き、きちんと使えれば、それでいいのだ。
手段に拘泥せず、目的達成を第一に考える。
目的は何だろう?そう、ビジネスを維持・発展させることだ。
そしてその方法は業界毎に異なる。社風や内部システムを考慮すれば、個社毎に異なる。
いま議論していることは、手段だろうか、それとも目的だろうか。
もしそれが手段だとしたら、それに拘泥すべきではない。
目的を達成する効果が得られない、もしくはマイナスなのにその手段を採用するとしたら、上役への忖度か、プライドで後に引けなくなっているか、サンクコストを気にしすぎているか、単に何も考えてないかのどれかだろう。