3つの制約条件

中小企業にできることは限られる。
選択肢は各社が置かれた状況によって制限され、限られた打ち手の中から「よりマシな」選択肢を探すことになる。

「縛り」のことを制約条件と言う。
制約条件には3つのタイプがある。

  1. 物理的制約条件
  2. 市場の制約条件
  3. 方針の制約条件

物理的制約条件

従業員の量・質、設備や資金といった「目に見えるもの」によって発生する制約条件。
簡単に増やすことはできない(何をするにも金がかかる)し、自分が理想とする経営資源が手に入ることはめったにない。
限られた資金をどこに投下し、効用を最大化するかはそれぞれの会社の方針による。
設備投資を行う企業もあれば、従業員の給与を引き上げる企業もある。もちろん、社長および一族が私腹を肥やす、という選択肢もある(効果があるかどうかはともかくとして)。

供給面に問題がある、つまり「依頼はどんどん来るのに手が足りない」という場合は、物理的制約条件が邪魔をしている。

市場の制約条件

市場の制約条件は、企業の外で起きる。需要や顧客、競合企業の戦略などにより自社の取り得る戦略が制限される。

マーケティング施策によりある程度のコントロールを行うことはできる。
ただし、効果が出る可能性は物理的制約条件と比べて不確定だ。
人や設備はお金を出せば導入でき、稼働もするが、マーケティングは効果ゼロに終わることもある。

需要面に問題がある、つまり「人手や設備が余っている」場合は市場の制約条件を変更するための手を打つ必要がある。

方針の制約条件

これは物理的制約条件や市場の制約条件の「上位」に位置し、会社の方針や慣習、経営者の価値観といったものが制約条件となる。
上記2つの制約条件と違って、これは自社だけで変更できる。お金もかからない。
社長や組織が自分達を縛る暗黙の「制約条件」に気付き、それをより合理的なやり方に変えるだけでよい。

TOC(制約理論)で有名なエリヤフ・ゴールドラットは、制約条件の多くが「方針の制約条件」だと言っている。
物理的条件や市場の制約条件が業績を悪くしているのではなく、自分で自分を縛っている「方針の制約条件」が邪魔をしているのだ。

「金がない(ので投資できない)」「景気が悪い、国が悪い」と言う前に、
「方針の制約条件」について考えてみてはどうだろうか?
自分のこと、自社のことを冷静に見ることが難しければ、経営コンサルタントを雇ってみてもいいだろう。

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