「日本を元気にしたい」よく聞くフレーズではあるのだが、
具体的に何をしようとしているのかがさっぱりわからない。
日本というのは国家のことだが、人間ではないので元気になったり病気になったりするものではない。
元気イコール経済成長というのも違うだろう。KPIは何を設定すればいいのだろう?
一時期幸福度みたいなKPIが話題になったが、高いスコアだったブータンが実はひどい独裁国家だったという話もあり、なんともだ。
いや、国家そのものではなくそこで働く皆を元気にしたい、ということなのかもしれない。
しかし元気の定義は人それぞれだろうし、そんなこと余計なお世話だと思う人だって立派な日本人だ。
「日本を元気にしたい」と叫ぶその人の考える「元気」の定義の射程はいかほどのものだろう?全国民をカバーするとは思えない。
ビッグワードすぎて、まるで何も言ってないかのようにすら思える。
何にでも当てはまるのなら、使い勝手のいい言葉ではある。
(もしかしたら、その汎用性の高さを意図してその言葉を使っているのかもしれないけれど)
もう少し範囲を絞って欲しい。自分を元気にすることはできるだろう(それすら難しいという人もいるだろうが)。
自社の社員や、取引先を元気にすることすら、難しい課題である気がする(繰り返すが、元気の定義は人それぞれだ。定義を他者に強制するのなら、それは独裁だ)。
直接関わりのない人を元気にすることなんて、もう何をしたらいいかさっぱりわからない。
逆に「日本を元気にしない行為」って何なのかを考えてしまう。家にこもって何もしなくたって、生きていれば食事くらいはする。消費行為は日本経済に貢献している。単純化すれば、日本を元気にしていると言えなくもない。
生きて、誰かと交流して、消費していれば、たとえそれが不道徳な行為だとしても、日本を元気にしているのではないだろうか。
「日本を元気にしたい」と熱く語る人に上記の主張をすればきっと嫌な顔をされるのだろうけど。