みんな民主主義が大好き

民主主義は好かれる。パワーワードと言ってもいい。
とりあえず「民主的に決めよう」とか言っておけば、なんとなくいいことを言っている気になる。
実際の決め方は多数決なのだが。そして、多数決で負けた側がさっきまでに民主的に決めようと言ってたのに豹変して「多数派の横暴だ!」と言ったりもするが。
多数決を用いずに「話し合って」「熟議して」決めようとすれば、大抵声の大きな人、周囲を威圧する人の意見が通ることになる。これを民主主義だと強弁する人もいる。
もう何がなんだかわからない。

ヒトラーもスターリンも、ポルポトも毛沢東も、自分たちが作った国家は「民主主義国家だ」と言っていた。
定義が曖昧すぎて、どうにでも解釈できる言葉なのだろう。だとしたら、あまり意味のない言葉とも言える。

ちなみに中小企業が「民主主義的に」会社を運営しようとすれば、早晩潰れてしまう。尖った意思決定ができなくなるからだ。
一見、民主主義的に運営されている企業があるかもしれないが、形式的に話し合ってはいるものの、社長の意見に誰も逆らえないだけだったりする。

民主主義とは逆に、「自由主義」と言う言葉は人気がない。上述した独裁者の誰もこの言葉は使わない。
彼らは皆、自由を制限したい人たちばかりだ。
制限される側の民衆だって、「国が規制を作れ」と声高に叫んだりもする。
その規制は自分の嫌いな人たちにしか影響を及ぼさないと思っている。
短期的にはそうかもしれないが、長期的にはどうだろう?

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