測れないものは改善できないから

フリーランスで仕事をしていると、仕事と遊びの区分が果てしなく曖昧になってきます。

出退勤時間が決まっている訳ではないので、仕事を始める時間も終わる時間も自分で決めます。
昼食の後に2時間ほどがっつり寝ても、誰も白い目で見たりしません。
同僚の視線もなく、いつまでもネットサーフィンに耽ったとしても誰にも注意されません。
どうしても仕事がはかどらない時は目の前の現実から逃げるように自転車で糸島へ出かけたりもします。

日常の細かな「スキマ時間」もばかにできません。
休日、飲み会の会場近くで30分程仕事したり、バスや電車での移動中に報告書作成、風呂に入った後、就寝前の1時間でプレゼンのアイデアを練ったり・・・

ふと、思いました。

トータルで何時間仕事してるんだろう?実は会社員時代よりはるかに激務なのか、意外と週40時間も働いてないのか・・・

長時間パソコンを操作しているのは間違いないが、その中で本当に「仕事をした」と言えるのはいったい何時間だろう・・・・?

「測れないものは改善できない」と言ったのは、確かドラッカーでしたでしょうか。より効率的に仕事を遂行し、ひいては人生を充実させるべく、自分の作業時間を計測し改善することにしました。

 

1)作業の開始と終了時間をエクセルに記録

論外です。1日試してみたのですが、作業に熱中すればするほど記録のことをキレイさっぱり忘れます。また、自分に取って不本意な作業時間(ネットサーフィンなど)を正確に記録する程、自分は厳格な人間ではありませんでした。

 

2)Slimtimer


無料で使えるツールです。まず作業(タスク)を登録し、開始時と終了時にタスクをクリックするとその作業に何時間かかったが記録されます。レポート等を見ることもできて便利なツールですが、やはり、作業開始時や終了時にクリックを忘れてしまい、データが正しく記録できませんでした。ずぼらなんですよね・・・・

 

3)RescueTime


現在はこれに落ち着いています。無料プランと有料プランがあり、無料プランでも充分な機能を備えています。僕は、開発者に感謝する意味で有料プランを申し込みました。

 

RescueTime は、前述の二つの方法と違い、作業時間の記録に関してクリックや記入等の「能動的な動作」は一切必要ありません。背後で動作するプログラムが、現在アクティブなアプリケーションを記録しつづけ、その結果をレポートとして出力してくれます。

 

アプリケーションは生産的か、そうでないかで5段階にグループ分けされており(変更可能)、例えばMS Wordは”Very Productive”、Twitterクライアントは”Very Distracting”となっています。

 

時間単位、週単位、月単位などで、自分の生産性グラフを見ることができます。グラフのX軸ゼロから上の青く塗りつぶされた箇所が、「とても生産的」「生産的」「普通」の時間。ゼロから下の赤い箇所が「無駄な」時間となります。

グラフによると、この日は朝5時までかなりがっつりと仕事をして、8時まで仮眠、10時くらいまでネットサーフィンやTwitterなどをやり、昼前から徐々に仕事を始めるが、結構さぼり時間も入れている。夕方から夜にかけてまたがっつりと仕事、といった感じでしょうか。この日はちょっと働きすぎですね。

 

MS Wordというアプリを何時間操作していたかは分かりますが、MS Wordで何という名前のファイルを編集しているかまでは記録できません。ですので、複数のプロジェクトを抱えている場合は、どのプロジェクトの作業を行っているかまではこのソフトではわかりませんが、自分の仕事時間をおおまかに確認するだけならこれで充分です。

 

また、ブラウザに拡張機能(Chromeで動作。FirefoxはVer4以上に非対応)をインストールすることで、どのドメインのサイトを見ていたかを記録することができます。facebook.comは非生産的、wikipedia.comは生産的というふうに分類可能です。

PCを使わない仕事、紙媒体の資料チェックや電話、ミーティングはどうでしょうか?PCを離れて5分立つと、以下のウィンドウが画面に出ます。「おかえり!いま何してたの?」・・・何もここまでしなくても・・・と思いますが、これでPCを使わない作業に関しても(ある程度)記録を取ることができます。

 

RescueTimeを利用すると、一日のどの時間帯にどれだけ「仕事」をしていたか、また「仕事をしているふりをして遊んでいた」かが、冷酷なまでに明らかになります。

今日はこれだけしか仕事してないのか・・と悲しい気持ちになることもありますが、現実を正しく把握し、よりよい方向に向けて改善の努力を行うために、非常に面白いツールです。

 

余談ですが、節電絡みで日本でも「在宅勤務」を推進しようという機運があります。VPNやビデオチャットなど、在宅勤務を実現する技術はほぼ全て用意されており、現在ネックとなっているのは「管理職が部下の仕事を管理できない」ことによる心理的な障壁だと思います。

まあ、同じオフィスに居たら部下を管理できているのかというとそれは単なる幻想な訳ですが、RescueTimeを使うことで、遠隔地で仕事する部下の作業管理もある程度できるため、在宅勤務を検討されている企業は導入する価値はあるのではないでしょうか?

管理されるのは嫌な方も居るでしょうが、これを許容することで在宅勤務させてもらえるなら、メリットの方が上回るのではないでしょうか?

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