「やるべきこと」はすぐに記録。でないと忘れてしまう。

人間の記憶はあてにならない。

エリザベス・ロフタスという学者が行った実験で、「ショッピングモールの迷子」というものがある。

被験者の子ども(A)に対して、親や年上の兄弟がいくつかの過去の想い出を話した後に、
「Aは小さい頃、ショッピングモールで迷子になったよな、覚えているかい?」と問いかける。

これは作り話であり、Aは当然「迷子になったことなどはない」と返事する。
そこで、親や兄が、
「その日はとても暑かった」
「白いポロシャツで髭のお爺さんがお前を家まで送ってくれた」
など、具体的なエピソードを話していく。

すると、Aは「そういえばそうだった」と、実際にはなかったことを思い出したと言い始め、さらに「お爺さんのポロシャツは白ではなくて青だった」などと、自分で話を新しく創作することすらある。

「偽りの記憶」を埋め込む効果は強烈で、実験終了後に種明かしをしても、Aは「そんなことはない、自分は本当に迷子になった。しっかりと思い出せる」と言うこともあるそうだ。

これは記憶力の不確かな子どもだけに限った話ではない。
ロフタスの実験結果によれば、成人の4人に1人はこの方法で「偽りの記憶」を植え付けることができるそうだ。

記憶(memory)に頼らず、記録(record)する

自分の記憶というものは非常に不安定なものであり、それに頼っていては判断を間違ってしまう可能性すらある。

そこで、私は何かを思いついた際、顧客から何がしかの依頼を受けた際などはすぐにメモを取るようにしている。
メモの仕方は様々だ、主にスマホを使うことが多い。

(1)siriによる音声認識
iPhoneのボタンを長押しして、音声でToDoリストに追加することができる。
「〜をリマインド」や「リマインド」といった後に内容を喋ることで登録可能だ。
私が使っているToDo管理ソフト「OmniFocus」にも転送できる。

徒歩移動をしているときなどに便利だが、認識率はまだまだ。

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(2)iPhoneアプリ「Omnifocus」に直接入力
この方法を一番使っている。
他のデバイス(MacbookPro, Macbook , 5K iMac, iPad Pro)にも自動でデータ同期するので、
どのデバイスで作業していてもタスクを見逃すことがなくなった。もうOmnifocusはもう5年くらい使っている。
Windows版がないのが残念。

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(3)iOS標準の「メモ」
最近のバージョンアップで手書き入力ができるようになった。
図表を伴う場合、こちらで簡単な絵と一緒に書き込むこともある。
書き込んだままで、見返すのを忘れることがないよう、後でタスク管理ソフトに転記する。

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(4)ノートに書き込む
その瞬間の気分によっては、手書きの方がよいアイデアが出ることもあるので、ノートとペンは常に持ち歩いている。
ノートに書き込んだToDoは、iPhoneのメモ同様、後で必ずタスク管理ソフトに転記する。

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場所はひとつに

ToDoを置く場所はひとつにしないと運用が破綻する。メモしたことを思い出せない、メモを無くすなどのトラブルが発生する。
冒頭で言ったように、人間の記憶はあてにならないのだ。
(3)や(4)はあくまで一時的な記録であり、必ずタスク管理ソフトに転記するようにしている。

経営コンサルタント(中小企業診断士)は業務範囲が異常に広く、紙や記憶に頼っていたら
早々に運用が破綻するだろう。タスク管理テクニック(思想とツールの使い方)は経営コンサルに限らず
フリーランスには必須の能力だと思う。

本当は、秘書がいれば助かるのだけれど。

記憶はあいまい①〜目撃証言の曖昧さ

記憶はあいまい②〜記憶を作る

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