ものごとは言い方次第だ。
同じことでも、伝え方によって相手の反応は変わる。
「おもてなし幻想」という本に、オスラム・シルバニア社が作成した「肯定的な言葉遣いの手引き」というのがあった。
項番 | 項目 | 否定的な言葉遣いの例 | 肯定的な言葉使いに変換 |
1 | 入荷待ちの商品 | その商品は在庫がありません | 10日に入荷いたします |
2 | 発注 | 10日にならないと発送できません | 10日発送できます |
3 | 価格に関する問題 | 価格の問題は販売担当者と話しをしなければなりません | この件については販売部門の者が協力できるかもしれません |
4 | 出荷の間違いあるいは破損 | こちらで代替品を発注しないといけないですね | この問題の一番いい解決方法は・・・ |
5 | 在庫の確認 | その商品は扱っていません | (代替になり得る)・・ならございますが |
6 | 注文の状況を知らせる | ご注文の品は10日にならないと用意できません | 10日はご注文の品をご用意できます |
7 | 価格の間違い | 販売担当者に価格を確認してもらう必要があります | 販売担当者が・・の価格を確認いたします |
8 | 発送遅延を説明する | お客様が期限までに発注しなかったので | タイムリーにお届けするには10日までにご注文をお願いします |
9 | 返品手続 | 荷物に返品番号を記入する必要があります | 荷物には忘れずに返品番号をご記入願います |
10 | 商品の扱い先 | 一般の方への小売はしていません | 天神の**店舗で購入することができます |
(「おもてなし幻想」マシュー・ディクション他著 の図4.4を一部改変)
肯定的な言い方は必ずある
どんなネガティブな話でも、肯定的に伝える方法があるはずだ。
相手のせいにせず、かといって過度に自分のせいにもしない。
前者であれば相手は「私が悪いというのですか!」と気分を害するだろうし、
後者であれば自分の精神が参ってしまう。
犯人捜しとつるし上げは何の利益も生まない。
実際のところ、本当に悪いのはそうさせてしまった「仕組み」である。
仕組みをどう変えるかを前向きに検討しよう。
また、過去ではなく未来に注意を向けてもらうこともポイントだ。
過去にできなかったことではなく、未来に向けてこういうことができるという点をアピールしよう。
前述の表にもあるように「在庫がありません」ではなく、「10日に入荷いたします」、
入荷の目処が立たないのであれば「代替品の**なら即納可能です」「入荷次第連絡いたします」「最新の在庫情報はHPより確認できます」などの回答がベターだ。
相手の本当の質問は「在庫があるのかないのか」ではなく、「どうやったら買えるのか」なのだから。