アテンション・エコノミー(注意力の経済)
現代において、ひとつのことを集中してやり続けることは非常に難しい。
エクセルで資料を作っているとメール着信のお知らせ音が鳴る、同僚が話しかけてくる、電話がけたたましくなる、スマートフォンが振動して着信を知らせる・・・・
ひとつのことに集中しつづけることがこんなに難しい時代はなかったのではないだろうか?
トーマス・ダベンポートとジョン・ベックは著書「アテンション!」の中で、現代は「アテンション・エコノミー(注意力の経済)」の時代であると唱えている。
消費者の注意を引いた企業が勝者になれるという意味だ。
さまざまな誘惑が集中を妨げる時代に、どうやって集中力を維持するか?
まずは自分の状態を知ることからはじめよう。
現在の状態を知る
集中力のあるなしは、刺激の強さと大きく関係している。
刺激が弱すぎれば眠くなる、だるくなるなど「意欲喪失」の状態になり、集中できなくなる。
反対に、刺激が強すぎると「オーバーヒート」状態になり、いらいらしたり不安になったりしてしまう。
集中力が高まる最適な状態は、適度な刺激のある状態、すなわち「意欲喪失」と「オーバーヒート」との間にある(下図参照)
集中力と刺激の関係を図で表してみると、逆U字型のカーブを描く(図2参照)。
この図が生まれたのは1908年とおよそ100年以上前だが、考案した心理学者にちなんで「ヤーキーズ=ドットソンの法則」と呼ばれている。
集中力とは、1〜10段階まで段階的に上昇していくようなものではなく、刺激との関係によって逆U字型の曲線を描くのである。
強すぎず弱すぎず、適度な刺激を自分に与え続ければ、集中力が高まった状態を維持することができる。
まずは、いま自分がどの段階にいるかを知ることから始める。
「意欲喪失」か「オーバーヒート」か「集中ゾーン」のどれかだ。
いったん目の前の作業を止めて、自分がどの段階にいるのかを把握しよう。