「コロナに勝つ」という表現にずっと違和感がある。今でもそれは続いている。
勝利条件がわからないからだ。どういう状態が「勝利」なのだろうか。
根絶はおそらく無理なのではないかと思う。
細かい専門的な話は置いておく(私にはそれを議論する知識もない)が、
新型「コロナウィルス」と、従来から風邪症状を引き起こしていたコロナウィルスの一種なのだろう。
周知の通り、風邪が根絶されたことは歴史上一度も、どの地域でも、ない。
子供の頃、「風邪の治療薬を開発すればノーベル賞ものだ」と、大人の誰かからそう言われた記憶がある。
風邪と新型コロナ(COVID-19)は違う、これだから素人は、と言われると恐縮するしかないのだが、
それでも全く別ものではなく、同じ部分もあるのではないだろうか。私が話しているのはその「似ている部分」についてだ。
(新型コロナが)根絶できないと仮定すれば、それが勝利条件になることはありえない。
不可能なことを条件にするのは、何かをしない言い訳としては有益だが、本気でそれを目指すのは狂気の類いだ。
勝利条件が明確に定義されていない以上、その認識は人によって、組織によって異なるのかもしれない。
このままでいいとは誰も思っていない。
でも、勝利条件の認識が異なるから、その「ズレ」が諍いの元になる。
勝つための条件が不明確ならば、ずっと戦い続けなければいけないのではないか?
病気よりもむしろその方が怖い。