スタッフに細かいことを言いたくない。
コピーは裏紙を使えとか、私語は禁止とか、こまめに節電しろとか、経費はなるべく使うなとか、そういう類のことを。
会社に余裕が無くなれば、社長の心にも余裕がなくなる。
なんとかコストを削減しようとする。
何も気にしていないスタッフに苛立つ。
費用対効果の低い、過剰なコスト削減策をやり始める。
売上や利益をコントロールするのは難しいけれど、コストなら心掛け次第でなんとかなるから。
繰り返すが、そんなことは言いたくない。
姑のように小言を言いたくない。
なので、売上を取り、利益を稼ぐ。そうし続けることができれば、細かいことを気にせずにいられる。
客から少し文句を言われたからと値下げをすることの遥か先には、
利益を失い、ちまちまとコスト削減をスタッフに命令する未来の自分がいる。
そう考えれば「値下げはしません。なら他を当たってください」と、笑顔で言えるようになった。