起業する目的は一般的に2種類ある。ざっくりとだが。
一つは「金持ちになりたい」。
成功すれば、サラリーマンでは到底得られないような富を手に入れられる。
もう一つは「王さまになりたい」。
自分の会社では、まるで王様のように振る舞っても構わない。
全てを自分が決めることができる。これも、サラリーマンでは不可能な立ち位置だろう。
金持ち(リッチ)になるのが目的なら、投資家から出資をもらうのは合理的だ。
資金力を用いて急激に成長できる(かもしれない)。
一方、王様にはなれなくなる。株の一部を投資家に引き受けてもらうことで、完全なコントロールを失ってしまうからだ。
今後は投資家の言う事も聞きながら事業を行わないといけない。
リッチを優先すれば、キングの座は確保できない。王様ではあっても、貴族(株主)の意見を無視できなくなる。
逆なら、キングのままリッチになるのなら、時間をかければ可能だ。
出資を仰がず、本業の利益と融資(経営権を渡す必要はない)のみで成長すればいい。
自分はリッチにはそこまで興味がない。
本と、おもしろガジェットが買えるだけあればあとは必要ない。
キングになりたいわけでもない。
威張るのは好きではないし、誰かをコントロールしたいとも思わない。むしろ放っておいてほしい。
ただ、自分と自分の会社をコントロールする権利は確保しておきたい。別にいばりたい訳ではない。
誰か、事業の事も社員の個別の事情も知らない第三者に、会社の重要な意思決定に関与されるなんて堪らないだけだ。
友人や家族を株主や役員にする社長もいるが、私にはできない。
その人たちと永遠に仲良しであり続ける自信がない。
「リッチオアキング?」と聞かれたら、私は消極的な選択として「キングでいい」と答えるのだろう。