古き良き日々の最大の要因は、ダメな記憶力だ
ーフランクリン・ピアーズ
昔は良かったと人は言う。特に年齢を重ねた人達は。
実際には良いことも悪いこともあったはずだ。
もちろん、人情に溢れた良い人も、悪意の人も、昔からいた。
#余談になるが、明治時代の新聞に「最近の若い人は
#電車のなかで化粧をしてみっともない」という投稿があったとか。
人間の記憶の曖昧さ、悪いことを忘れてしまう防衛本能、
自分の行動を正当化し、気持ちよくさせる脳の働き・・・・
人間は自分の目で世界を見ているのではなく、脳で解釈している。
記録を脳から引き出しているのではなく、都合良く脚色したオリジナルの「物語」を創作している。
今が一番だ
知人で、「昔に戻りたい、学生時代は良かった、前の会社は良かった」
なんてことを絶対に言わない人がいる。
常に「今が一番だ」と言っている。
その知人は精神的に参っている時でも、
決して美化された過去に耽溺しなかった。
どうみても辛そうなのに「今が一番、過去には戻りたくない」と断言していた。
私は「悪くなったこともあるかもしれないが、トータルでは良くなっている」と思っている。
幼稚な進歩主義かもしれない。
でも、手元にあるスマホを見るだけでも、それが実感できる。
#W−ZERO3時代のモバイル環境の話をすると長くなるので辞めておこう。
昔を懐かしんでも、今は変わらないし、どうせ昔には戻れない。
仮に戻っても、当時と同じ過ちを繰り返して、
また恥ずかしい思いをするだけだ。
だったら、今の良いところを維持しながら、
悪くなってしまったことをどうやって改善するかを考えた方がよくはないだろうか。