Facebookに代表されるSNSに投稿されるのは
「人から思われたい自分」の姿だ。幸せな投稿、自分が成功しているように見える投稿。
不満を投稿するときすら、「そんなことないよ」という同情の声を期待している。
一方、検索は違う。検索ワードは誰に見せるわけでもない。
自分の本音であり、社会的な評価を気にすることもない。
そんな検索ワードの分析結果をもとに書かれた本の一節を紹介する。
都市のエリートビジネスマンはストレスに苦しみ、
田舎暮らしはのんびりしていると思われています。
ところが、「不安 助けて」などと検索しているひとは
農村人口比率が高い地域に住み、
教育程度が低く、収入の中央値が低いことがわかりました。
どうだろうか?イメージが違う?
アメリカの調査ではあるが、日本も似たようなものではないだろうか。
私は田舎(九州の離島)出身なのでよくわかる。
人情味に溢れ、互いに助け合う古き良き日本の田舎というのは真実だが、
物事の一面しか捉えていない。
明文化されていない無数のルールが存在し、それを理解し如才なく振る舞う必要がある。
その難しさは、大企業のサラリーマンもかくやだ。
少しでも間違えば、村八分が待っている。
ちなみに、「絆」という言葉の語源は、家畜が逃げないように柱に結ぶ紐だそうだ。
「絆」は人を結びつける反面、人をそこから逃げられなくする。
もちろん合う合わないがあるだろう。
都会に向く人も居れば、田舎暮らしが心地よい人もいる。
ただ現在、都会に人口が流入しているのは、前者の割合が高いことのひとつの証明ではないだろうか。
自分は人情や善意に期待しなくても生活がおくれる「都市」というシステムは素晴らしいと思っている。
そういえば、以前この本を買ったのにまだ読んでいない。この週末にひもといてみようか。