無能唱元の本に書いてあった言葉
正義を言い始めると、人は不幸になる。
うろ覚えなので若干ニュアンスは異なるかもしれない。
正義は絶対だ。なんてったって正しい。自分は正義なら、自分に反対する人は自動的に悪となる。
悪は間違っていて、愚かだ。だから自分は悪に対して何をしてもいい。
実際には絶対の正義なんてものはフィクションであり、現実は「いろんな正義が乱立している」といった方が正しい。
ある企業から見た正義は、他の企業からは悪に見えることもある。
自分が言い争いをしている目の前に相手にも、掲げている「正義」があることを忘れたとき、
人は独裁者のような振る舞いをするようになる。
どうでもよいことにこだわり、人を攻撃し、馬鹿にする。自分の言うことを無理矢理にでも聞かせようとする。
そんな人が幸せになるとは思えない。
主観的には幸せかもしれない。みんなが自分の言うことを聞いてくれているように見えるから。
でもそれは、周囲の善意と我慢によって成り立っていることを忘れてはならない。
ふとしたきっかけで崩壊する砂上の楼閣だ。
アンドレ・ジッドはこう言った。
真実を探している人を信じよ。真実を見つけたという人は疑え。
Croyez ceux qui cherchent la vérité; doutez de ceux qui la trouvent;
自分のことを「正義」と信じている人は、真実を見つけたと誤解している。