仕事の都合で、VR【仮想現実】ヘッドセット「Oculus Go」を購入した。
23,800円。安くなったものだ。
早速試してみた。
ローラーコースターや
恐竜の闊歩する地域を通る
アトラクションなど、
臨場感たっぷりで、仮想世界に没入できる。
大自然の風景を360度見回せば、
まるでその場に居るかのような気持ちにもなる。
確かに面白い。
エンターテイメント需要は十分にある。
ビジネスにVRは根付くか?
では、ビジネスの需要はどうだろうか?
テレビ会議が立体である必要はないだろうし、
エクセルでつくったグラフを横や裏から眺められたとしても、
特に生産性の向上につながるとは思えない。
たとえばメガネにモニタをつけて、機械を修理する際に
部品の説明を現実の画面に重ねて表示する・・といった
ニッチな需要はあると思う。(これはどちらかというとAR【拡張現実】だが)
しかし、通常のオフィスワークでは現行のモニタ、
つまり2次元の画面で特に支障はない。
#余談だが、昔疑似3Dのウィンドウシステムを持つOSが
#あったのだが、まったく流行しなかった。
#二次元と比較してそれほど便利ではなかったからだ。
オフィスで全員がVRヘッドセットをつけて
もくもくと仕事をしている未来は、自分にはまだ想像できない。
2000年代の初頭、音声認識にスポットが当たった時期がある。
現在のものに比べれば赤子のようなものだが、
それでも1990年代から大きく進歩し、
「将来はキーボードは消え、ビジネスパーソンは全員オフィスで
マイクとヘッドフォンをつけてぼそぼそしゃべり、音声認識で資料を
つくる時代が来る」と言われたものだ。
あれから15年は優に経つ。音声認識はさらに進化した。
最近のAIスピーカーは本当に賢いと思う。
スマホの音声認識機能を使って
メールやチャットに回答することもできる。
それでも、オフィスではみんな、
昔ながらのQWERTY形式キーボードとマウスを使い、
スマホを持ってフリック入力でメールを打つ。
人間の習慣は簡単には変わらない。
とはいえ、従来と比較して圧倒的に便利であれば、
変化は急激に進むだろう。
ガラケーからスマホへの普及過程を
思い出してもらえれば明らかなように。
VRも10年前に比べたらそうとう進化したのだろう。
しかし、スマホが持っていた、
「既存の競合品を駆逐する、圧倒的な便利さ」
は、まだない。
VRは限定的な普及に留まるのではないか。