これは純粋に嬉しい。
霞が関でパスワード付きzipファイルを廃止へ 平井デジタル相 – ITmedia NEWS
[blogcard url=”https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2011/17/news150.html”]
ある程度の規模の企業や公的機関とのメールでのファイルのやりとりは、基本パスワード付きのZipファイルで行われる。
まずは添付されたメールが届き、数秒後にパスワード付きのメールが届く、受信者はそのパスワードを使ってZipファイルを解凍するといった具合だ。
(詳しくはリンク先に書いてあるが)意味のない行為であり、おそらく本人たちも自覚しているのだろうけれど、社内の規則(と、システムによる強制)で仕方なくやっているのだろうな・・・・ただ、受信側の作業が面倒だからやめて欲しいなと、常々思っていた。
行政がこうやって先頭に立って「無意味な行為だけれど慣習的に継続しているもの」を廃止してもらえると、下々の我々も同調しやすい。本当にありがたい。
意味がなくとも続くもの
こういう事は多い。意味が無いけれどなんとなく継続している。
辞めようと誰かが声をあげても「意味はゼロではない」とか、「周りもやっているから」という理由で反対の声が上がり、合理的な声はかき消される。
(実際には、パスワード付きZipファイル(と、パスワードメールを自動で送付するシステム)にセキュリティ上の効果があるとすれば、それは極めて限定されたシチュエーションでしかなく、そういった事象が発生する可能性はほぼゼロに近い)
変化することそのものが嫌だから
「意味が無いなら辞めればいい」と外野のものは思う。
しかし、変化とそれが引き起こす責任を嫌うのは人間の特性みたいなもので、それがプラスだとしても、とにかく「変化」事態を忌避する人の方が多い。
そこでは合理的な説得は意味をなさない。相手は「変化」そのものを嫌がっているのだから。
責任の取れる誰かが強権的にやってしまうしかない。
もしくは世間の流れを変えて「続ける方が批判される」ようにするかだ。
今回は後者であり、霞ヶ関が廃止すれば、ものすごいスピードでこの「悪習」、いや、「奇習」といっていいかもしれないこの仕組みは絶滅するだろう。
すぐに「まだそんなことしてるの?」という状態に移行すると思われる。
そして、それは世の中にとっていいことだ。
効果のほとんどないことのために、日本中でやられている「パスワードのコピー」>「Zipファイルのダブルクリック」>「パスワードの貼り付け」という行為が無くなるのだから。
ホワイトカラーの生産性が上昇し、GDPに影響を及ぼすかもしれない。まあそれは言い過ぎだと思うけれど。