一定期間、PCやスマホといった電子機器を一切触らない「デジタルデトックス」をやることにしました。
デジタルガジェットに囲まれた自宅で実行できるほど意思が強くなかったようで(何回か失敗した)、温泉旅館という日常とは隔絶された環境で行うことにしました。
15時にチェックイン早々、旅館の金庫にスマホを入れ、鍵をかけます。
そこからチェックアウト時間の12時まで、21時間ほどスマートフォンをはじめとするデジタル機器に一切触れないという経験をしてみました。
普段の時計はアップルウォッチです。しかし、これもデジタルデトックス対象製品ということで、今回は久しぶりにアンティークの手巻き時計を装着しています。
PC・スマホなしの生活をいざ始めてみると、いろいろと制限があることに気づきます。
- 好きな音楽が聴けない
- 電話・メール・SNSができない(他社とのやりとりができない)
- 調べ物がすぐにできない
- 予定がわからない
私はやらないですが、スマホゲームもできませんね。
普段、宿泊先の部屋でテレビを見ることはあまりないのに、時間を持てあましてついテレビの電源を入れてしまいました。(すぐに消しましたが)
読書をしていても、普段より手間がかかる
温泉に入る以外は妻と会話するか、ひたすら読書をしていました。
読書中にわからない単語や概念がでてきても、グーグルで調べることができません。
本文に出てきた関連書籍を買いたいと思っても、アマゾンで購入することができません。
読書をしていて「このネタはブログに使える」と思っても、ワードプレスを開いて文章を書き始めることができません。
結局、読書中に気になることは全てメモ帳に書いていきました。
あとでPCに転記するので、二度手間になります。
スマートフォンの普及が始まってから10年前後。パソコンが普及してからでもまだ30年も経っていません。
ほんのちょっと前までは皆、このような生活をしていたのだなと。
#私は20世紀末からパームパイロット(通信機能のないスマホのようなもの)を胸ポケットに入れ、
#薄型ノートPCの東芝ダイナブックSSを持ち歩くいわゆるガジェットオタだったので
#やや特殊だとは思いますが・・・
デトックス終了
翌日12時、無事金庫からスマホを出し、デジタルデトックス終了。
メールやSNSの返信に追われましたが、特に大きな問題はありませんでした。
これほど長い時間PCやスマホを触らなかったのは、この20年で初めてのことです。
わずか1日のデジタルデトックスでした。
思ったのは、「ネットがないほうが、長く・しつこく考えることができる」ということです。
グーグル検索やSNSに頼らずに自分の頭で考えることで、思考力が鍛えられているのかなと。
寄生獣という漫画で、主人公?のミギーが「しばらく自分の頭の中にある材料だけで考えてみたい」と言って外部とのコミュニケーションを断ってしまいます。デジタルデトックス状態で頼れるのはまさに「自分の頭の中の材料」のみ。
インターネットに繋がったPCやスマホは、時間を細かく分割し有効に活用できているように見えるけれど、安易に答えを見つけることができる環境、容易に人の意見を聞ける環境にはデメリットもあるんだろうなと思います。
症状?がひどくなると、ネットの意見をまるで自分が考えた意見だと勘違いしてしまうことも。
喩えるならば、参考書の問題を解かずに回答を見るのが普段スマホを活用している状態で、問題をきちんと解いてから(翌日に)回答を見るのがデジタルデトックスといったところでしょうか。後者の方が試験に合格する実力が付くでしょう。
現代社会で仕事をしていて、100%デジタル環境から離れるのは不可能です。
ただ、1日〜2日くらいならなんとかなるのではないでしょうか。
週末だけでもこの習慣を続けてみることにします。
余談ですが、よい宿でした。