2009年にサラリーマンを辞めて独立した。当初は方向性も定まらず、
声をかけられて自分にできそうなことならなんでもやっていた。
とある会社の販売管理システム導入を支援していた頃(そんなことまでしていた)。
会社が休みになる土曜日に事務所にお邪魔し、システムの設定を黙々とやっていた。
事務所にいるのは営業部長と、若手の営業と私の3人だけ。
部長は若手に対して「営業成績が悪い」と叱責を始めた。
それが自分ではないにせよ、誰かが責められるのを見るのはあまり気分がいいものではない。さっさと仕事を終わらせて帰ろう、そう思っていた。
若手は昨日の営業日報を書いていないようだ。叱責の論点はそこに移った。
部長「お前昨日の営業日報出していないやないか。タイムカード見ると昨日は24時過ぎまで会社にいたやろう、なんで日報書いてないんだ、何してたんだ!」
若手「・・・・すみません!ユーチューブ見てました!!」
・・・・部長は絶句し、数秒フリーズ、その後、顔色は白から赤に急激に変化、烈火の如く怒り出した。
若手さん、何も素直に言うことないだろうに・・首にならなければいいが・・・と思いながら、叱られる様が目に入らないよう、座席の位置を変えた。
その会社とはシステム導入後は仕事に繋がらず、疎遠になった。
ーーー
10年以上経った頃、その会社に以前勤めていた人とたまたま話す機会があった。
当時のエピソードを話して、ユーチューブ見てた営業さんの名前を伝えた。
元気にしているか?と。それともとっくに首になってしまったか。
なんと彼はその後メキメキ頭角を表し、今ではトップ営業になっているとのこと。
素直な性格が取引先に好かれたのだろうか?
成長の機会に恵まれたのだろうか?
なんにせよ、人間はどうなるかわからないなと、あらためてそう思った。