交渉は勝ち負けではない

交渉はスポーツとは違う。ディベートとも違う。

スポーツ、例えば野球であれば勝ち負けは誰の目にも明らかだ。
いっぽう、交渉とは「双方の条件を出し合い、合意点を見いだす」行為であり、そこには明確な勝ち負けはない。

「相手を言い負かした、俺の勝ちだ」と得意になっても、それは一時的なものだ。
家電量販店での交渉など、一回だけのものならそれでもいいだろう。

しかし、これからもその相手と交渉するとしたら?企業間の取引などはほとんどそうだ。

恨みをもった相手から次回の交渉でどんな仕返しをされるかわかったものではない。
また、交渉で決定したことの履行を遅らせる、解釈をずらすなどといった地味な抵抗も予想される。

双方ともに笑顔で別れるのが交渉の理想である。
交渉を勝ち負けで考えている時点で、その人は長期的な視点で見た交渉に「既に負けている」のだ。

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