誰を説得しているのか?

事業計画を作成する際は、「その資料を誰に見せようとしているのか、誰を説得して何をさせたいのか」を常に意識する必要があります。

誰を説得して、何をさせたいのか

金融機関を説得し、融資を引き出すための事業計画であれば、毎月きっちり返済できることを示す資金繰り予想や既存の借入の明細といった資料を作らないといけません。

同じ事業計画でも、従業員に見せるものであれば内容は変わります。
資金繰りや借入の明細などは必要なく、むしろ目標売上とそれを達成するための行動計画、達成したあかつきには従業員にどのようなメリットがあるのか、といった箇所を厚く記載することになるでしょう。

株主、補助金の審査員、取引先向け・・・誰を説得して何をさせたいのかを深く考えることで、事業計画に何を記載すればいいかが見えてきます。

個別のカスタマイズは、書籍やネットではできない

そういう意味では、書籍やウェブにある「事業計画の作り方」は、あくまで汎用的なものです。
本に従って書式を埋めるだけでは、誰も説得できないでしょう。
情報の「受け手」を意識した個別のカスタマイズは必須です。

情報があふれる現代において、経営コンサルタントの役割は変わってきています。
かつてのように知識や概念、本で読んだ他社の事例を紹介しても、「ああ、ネットに書いてありましたよ」と冷たい眼で言われてしまうだけです。
中小企業の個別の状況を理解して適切なアウトプットを作成する「編集力」こそ、これからの経営コンサルタントに必要な能力です。

関連記事

  1. もっと時間があれば、もっと短くできる

  2. よどみなく流れれば

  3. ディスコミュニケーション

    情報が完全に揃うことはない

  4. アイデア、ビジネスプラン、歯車

    地元を思い出させて、売る

  5. 歯車

    経営学はフリーズドライ製品。お湯で戻すテクニックが問われる

  6. 叩き台があれば

最近の記事

  1. バックアップ、プランB

    2024.04.23

    雨が降っても
  2. 2024.04.15

    メンテナンス

読書記録(ブクログ)