俺たちはサムライじゃない

私は中小企業診断士の資格を持っている、いわゆる「士業」だ。
士業は「士」という文字が「武士」を連想させることから「サムライ業」とも呼ばれる。

サムライ、かっこいい響きだ。

サムライって公務員では

かっこいいのだけれど、その反面、
サムライのイメージが士業を悪い意味で束縛しているのではないかと思っている。

そもそも、サムライは大名という、現代で言えば県知事に仕えていたわけで、
公務員みたいなものだ。

戦国時代のサムライだって一緒で、戦国武将という社長に雇われたサラリーマンといったところか。

上司の命令には絶対服従だったろうし(下克上もあっただろうけれど)、
首になれば露頭に迷う。全然自由じゃない。

商人だと自覚せよ

個人的には士業は商人であるべきだと思っている。自分の知識や経験を金に替える、サービス業。
資格を取るために猛勉強して、自分の知識と才覚で世のなかを渡っていこうと決意した。
誰からも俸禄をもらっていない。自分で稼がなければ、死ぬだけだ。

武士より商人の方が倫理面で劣る、なんてことはない。
有名な商家には大体素晴らしい家訓が残っているものだし、
危機の際には利益度外視で行動した商人の例なんて、過去を紐解けばいくらでも見つかる。

士業が自分を「サムライ」だと定義してしまうと、
武士は食わねど高楊枝、として営業やマーケティングを軽視したり、
武士の面目に拘リすぎたあまりクライアントの利益を蔑ろにするといった事態が起こる。

例えば、いい仕事をしていればクライアントは後からついてくる、と主張する人。
例えば、クライアントに間違ったアドバイスをしてしまい、後日それを指摘されたのにもかかわらず、絶対に非を認めない人など。

用心棒になるか

サムライって言われるとかっこいいですよね。
でも、単に漢字がかぶっているだけですよ。

われわれはサムライじゃない。
浪人ですらない。宮仕え(大企業への就職)を希望していないのだから。
どうしてもサムライと絡めたいのなら、せいぜい、武士くずれの、多少武芸に心得のある、金でやとわれた用心棒といったところだろう。

武士くずれ=元サラリーマン
武芸に心得=士業の資格(免許皆伝)
金で雇われた=報酬をもらっている

用心棒を「武士」と呼んでくれる人はいないだろうけど。

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