インテルの「チックタック」モデルを経営に援用すると

インテル。パソコンに搭載されているCPU(core i*など)を製造している企業です。

彼らの製品開発のやり方に「チックタック」モデルというのがあります。
2年を1サイクルとして考え、最初の一年はCPUを小型化する(チック)、次の一年はCPUの大きさを変えずに設計を変更(タック)します。
小型化と設計変更を同時にやるのではなく、1年単位で交互に行うことで効率的な開発ができる。

最近は、技術進化が停滞しているのか、チック・タックにもう一つ、最適化(タック・プラス)を加えているようです。

経営に当てはめてみる

さて、やや無理矢理ではありますが、この「チックタック」モデルの考え方を経営に当てはめてみたいと思います。

拡大していく企業は、人員増を行いつつ、それと同時に業務プロセスの改善を進めていきます。
しかし、人員を増やせばコミュニケーションの複雑さは乗数で高まっていきます。
その上業務フローの変更までやれば、内部の混乱は必至ではないでしょうか。

そこでたとえば人員増を「チック」、業務プロセスの最適化を「タック」と見なしてみる。

人員を増やす時はそれに注力し、業務プロセスは変更しない。
業務プロセスを大きく改善する際は、人員を増やさない。

そのサイクルをインテルのように2年でやるべきか、それとももっと短く、数か月でやるべきかはその企業が置かれた状況によるでしょう。
ただ、全てを同時に進めるよりは良い結果を生むのではないでしょうか。

新規事業のアイデア出しなど、思考の際も同様で、「発散」と「収束」を分けなければ、いつまで経っても話がまとまりません。

当社のケース

当社の場合、昨期に人員増を行い、スタッフ数が前々期末の2人から9人と4.5倍になっています。
その間、業務プロセスの大きな変更は行っていません。いわば昨期は「チック」の段階でした。

今期は「タック」、つまり採用を抑え、現在のメンバーで業務プロセスの改善・精緻化による
効率化に取り組んでいく予定です。(採用をゼロにするわけには行かないでしょうが)

これはチックタックモデルを意識して行っています。

と、綺麗にまとめられれば良かったのですが、
現実には社長の段取り不足もあり、チックとタックが一部被ってしまい混乱を生んでおります。

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