物事のつながりを意識する〜システム思考という考え方〜

論理思考

「論理思考」や「ロジカルシンキング」がビジネスに必須なものと言われるようになってずいぶん経ちます。

物事をその場その場で感情的に判断するのではなく、データを分析したうえで論理的な結論を出すことは、仕事を効率的に進めていく上で重要な技術です。

論理思考で使う道具は様々ですが、最もポピュラーなのが「ロジックツリー」です。
これは、物事の要素を細かく分解して問題を解く考え方です。
余談ですが、「分析(アナリシス)」の語源は「分ける」という意味だそうです。(図1)

図1:ロジックツリー例
fig01

論理思考の弱点

論理思考はシンプルかつ強力な道具ですが、弱点もあります。
図1をもう一度見てください。
売上高は、まず数量と価格に分けられています。
しかし、数量と価格はバラバラには動きません、そこには関連があります。
一般的に、価格を下げれば販売数量は増えますし、逆に価格を上げれば販売数量は減ります。
ロジックツリーでは、要素(ここでは数量と価格)の間にある関係を表すことが出来ないのです。(図2)

図2:ロジックツリーでは関係を記述できない
fig02

また、数量や価格は時間とともに変化します。
ロジックツリーに代表される論理思考の道具では、時間の概念を表すことも困難です。
論理思考は、ある時点での出来事を分析することはできますが、様々な要素が関連し、時間と共に状況が変化するような現実社会の状況ではうまく機能しなくなります。

システム思考とは?

今回紹介する「システム思考」とは、論理思考の弱点を克服した思考法です。
道具としては主に「ループ図」と呼ばれるものを使います(図3)

図3:ループ図
fig03

ループ図は、要素とそれを繋ぐ矢印からできています。
どこからスタートしても構いませんが、まずは図3の左にある「低価格化」から見ていきましょう。

(1)商品を低価格にすると、一般的に(2)マーケット・シェアは上昇します。
すると、当然ですが(3)販売数量は増加します。
販売数量が増加すれば生産量も増えます。
ここで、(4)規模の経済性が働き、商品一個当たりの(5)原価が下がります。
結果、(1)さらに商品を低価格にすることができ、好循環が続くことになります。

ではどこまでも価格が安くなるのかというと、もちろんそんなことはありません。
実際には、低価格化を進めすぎるといずれは(6)ブランドイメージが低下し、シェアの増加に歯止めがかかるでしょう。(図4)

図4:ブランドイメージの低下を加えたループ図
fig04

ループ図を書くと、物事の相互関係がはっきり見えてきます。
そして、ループの中のどの場所に手を加えれば(要素を追加する、要素を取り除くなど)、好循環を生み出すことができるかが明確になります。

余談ですが、システム思考の基本理念の一つである「悪いのは人ではなく、システムである」という言葉に、若い頃の筆者は非常に感銘を受けました。
この考え方は私が経営コンサルタントとして仕事を行う際の信念となっています。
経営コンサルタントとして独立後は、日本におけるシステム思考の権威である(有)チェンジ・エージェント(http://change-agent.jp)の上級セミナーに参加し、さらに深い見識を得ることができました。

当社におけるシステム思考の活用

3期分の決算書を並べて財務分析するだけでは、相互の関連性は見えてきません。
数字の背景にある物事のつながりを「システム」として理解しなければ、「今日の解決策が明日の問題を生み出す」ことになってしまいます。

その場しのぎの場当たり的な問題解決をしないためには、システム思考を理解し自在に使いこなすことは大きなアドバンテージになります。

当社のコンサルティングでは、システム思考を有効活用し企業活動における「ループ図」を明らかにした上で、各項目の定量的・定性的な変動を踏まえてループ図に最大のプラス効果を与える「レバレッジ(てこ)・ポイント」を見つけ出し、改善を実行します。

目の前に見えているものは、本当の問題ではないかもしれません。まずは一度ご相談ください。

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