事務局公募から読み解く、2020年ものづくり補助金(2)

前回の続き。

加点要件の整理

加点、つまり採択されやすくなるための条件は以下の通りです。
(事務局募集要綱をもとに筆者が整理して図表化)

種類 項目(種類毎にどれか一つでよい。重複しても加点は増えない) 詳細
1.成長性加点 経営革新計画 有効な期間の経営革新計画の承認(申請中を含む)を取得
2.政策加点 小規模事業者 従業員20名以下(サービス業は5名以下)の企業
創業・第二創業者 5年以内に創業・第二創業した企業
3.災害加点 被災事業者 2019年の激甚災害(台風15,19,20,21号)指定地域の被災事業者【おそらく罹災証明書が必要】
事業継続力強化計画 有効な期間の事業継続力強化計画の認定(申請中を含む)を取得した企業
4.賃上げ加点等 事業期間中の賃上げ 給与支給総額を年率平均2%または3%増加させる計画(%によって加点が変わる)
最低賃金プラスアルファの水準維持 事業内最低賃金を地域別(県別)最低賃金にプラス60円またはプラス90円の水準にする(上げ幅により加点が変わる)
被用者保険の任意適用 被用者保険の適用拡大の対象となる企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む

1.成長性加点:先端や経営力が無くなった

成長性加点は、経営革新計画の認定を取得しているか、申請中であること「のみ」が条件となりました。
以前はここに、「先端設備等導入計画」や「経営力向上計画」も選択肢としてあったのですが、無くなるようです。

先端・・も経営力・・も、経営革新計画と比較すれば認定を取りやすいものでした。いっぽう経営革新計画は、申請のためには新事業の「ネタ」が必要で、また都道府県毎に一部書式が異なり、認定までのプロセスにも2ヶ月程度の時間を要します。この加点を取るのはなかなか厳しくなると思われます。

もっとも、先端も経営力も、それぞれ認定を取れば優遇税制措置が使えますので、
これはこれで補助金採択後に別途申請しておいた方がいいとは思います。

2.政策加点:創業・第二創業者の優遇

小規模事業者に関しては以前から加点されていました。
#ただし小規模型という補助上限額が少ない場合のみ

今回からは、小規模事業者に加えて「創業・第二創業者(5年以内)」も加点の対象となるようです。

ちなみに、創業してすぐ社員が20名以上になることなどは稀で、創業まもない企業はだいたい小規模事業者であることが多いと思いますが、だからといって加点が2倍になるわけではありません。

3.災害加点:事業継続力強化計画は取るべき

昨年の激甚災害(台風)の被災者および事業継続力強化計画の認定を取得または申請中の企業は加点されます。
事業継続力強化計画はいわゆるBCPの簡易版であり、比較的取得は容易です。この加点は積極的に取りたいところです。

4.賃上げ加点等:なるべくなら加点の多い方を狙いたい

給与支給総額の増加または事業内最低賃金の地域別最低賃金プラスアルファが求められます。
この加点に関しては段階的になっており、たとえば給与支給総額は2%または3%の増加が求められ、3%の方が加点幅が大きいと考えられます。
被用者保険の適用拡大の対象となっており、任意適用を考えている企業であれば、その項目を選んでいただくというのもありでしょう。

ものづくり補助金に限らず今年の補助金は「人件費アップ」を強く求める性格が強くなっています。
補助金で投資を行い、上昇した付加価値の一部は従業員に還元しろという、国の意志が表れています。

(つづく)

関連記事

  1. 平成29年度佐賀県ものづくり企業活性化支援事業費補助金

  2. もう一つのもの補助「高度連携促進補助金」詳説(1)〜事業の目的

  3. ものづくり補助金の神話(3)〜 会社の規模が小さいと採択されない?

  4. 2019もの補助 結果分析(5)〜 2次公募の採択率予測

  5. 平成30年度 北九州市産業用ロボット導入支援補助金

  6. 前向きな企業との出会い

最近の記事

カテゴリー

読書記録(ブクログ)