2019年ものづくり補助金「事務局」募集から読み解く今年の制度

2018年12月28日、2019年のものづくり補助金の「事務局」の募集が始まりました。

※あくまで「事務局」、つまり、補助金の運営を受託する団体の募集です。ものづくり補助金の募集はまだ始まってませんのでご注意ください。

今年の制度のヒントが得られる

事務局の募集なので、中小企業には直接関係のないものではあります。
ですが、公募要領には今年の制度がどのようになるかのヒントが入っています。
関連部分を抜粋して見ていきましょう。

予算額は800億円(事務費含む)

公募要領の3ページ「3.予算額等」にはこのような記述があります。

本業務を遂行するのに必要となる予算額は、
800.0億円(消費税及び地方消費税額を含む。)とします。
補助費用の区分は別添2のとおりとします。
なお、補助費用のうち事務費は可能な限り
合理化することに努めるものとします。

以前このブログで紹介した通り、ものづくり補助金を含む複数の補助金で1,100億円の予算が組まれていました。

うち、ものづくり補助金枠は800億円ということが、この公募要領からわかります。
残り300億円を、「IT補助金」と「持続化補助金」で分け合うのでしょう。割合は不明ですが。

なお、この800億円には事務局の運営費用(コーディネーターの人件費や事務局の家賃等)が含まれるため、全額が補助金として中小企業に提供されるわけではありません。
これは推測ですが、およそ1割程度は運営費に回ると思われます。

補助金額と補助率

10ページ「3.事業概要」には下記の図表が掲載されています。

一般型は補助金額最大1,000万円、補助率1/2(50%)、
小規模型は500万円で補助率1/2(ただし、小規模事業者は2/3(66.6%))は、
昨年と同様です。
また、経営革新計画の承認あるいは先端設備等導入計画の認定を受けていれば補助率が2/3にアップするというのも従来通りです。
「企業間データ活用型」は、今年は別予算(100億円)で実施されるようです。

気になるのは、図表に青くマーカーを引いた箇所です。

平成30年12月21日の閣議決定後に先端設備等導入計画を新たに申請し認定を取得した場合

既に取得済みの企業は、補助率アップの恩恵を受けられない?
もしくは、再度認定を取り直す必要があるのか、そもそもそれが可能なのか。

このあたりの詳細は、公募が始まってから明らかになると思いますが、
昨年いち早く、先端設備等導入計画という国の新たな制度の認定を受けた企業が、
今年は損をしてしまうような制度にならないよう祈ります。

補助予定件数は約1万件

10ページ「4.補助予定件数」には、「約1万件」と書かれています。
昨年の採択数は11,989件だったので、それよりは採択数は少なくなるようですね。
採択率は申請件数次第なので、蓋を開けてみないとわかりません。

補助金公募の事前予告

このお知らせには「補助金公募の事前予告」という項目があります。

なお、事業者の事業実施期間を可能な限り長く確保する観点から、
上記公募の際には、約2か月の公募期間を設けるほか、
早期に公募を締め切って審査し、
採択発表を速やかに(可能ならば年度内に)
行うことを検討中です。

また、夏以降に2次公募を行うことも予定しています。

この文章からわかることは、

  1. 公募期間は2ヶ月
  2. 夏以降に2次公募が行われる
  3. 1次募集では「中間締切」が設定され、間に合った企業は先行審査、年度内に採択発表が行われる

の3点です。
1,2は昨年と同様なのですが、3の「早期に公募を締め切って審査」というのが気になります。
まだ予算が国会を通過してすらいない状況で、年度内(つまり、2019年3月中に)採択発表を行うことが現実的に無理なのではないかと思います。
(それで「可能ならば」という文言があるのでしょう)。

ただ、年度内の採択は難しくとも、2ヶ月の公募期間(おそらく、2月末〜4月末と予測)の中間、
たとえば3月末の時点で「中間締切」が設定される可能性があります。
過去の傾向から言っても、中間締切までに提出した方が採択率が高くなります。
(1ヶ月で準備できる企業が少ないため申請者が少数で、かつ予算も十分にあるため)

もし仮に「中間締切」が設けられるのであれば、そこまでに申請書を提出することをお勧めします。

今回、なぜ早期採択を企図しているのか?私は消費増税の絡みではないかと予想しています。
9月末までに設備を購入できるかどうかで、消費税分の支払が変わってきますから。

以上、事務局の募集という、一般企業には関係のなさそうな情報からも、
読み取れることはたくさんあるという話でした。

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