見渡せる、隠れられる、いつでも逃げられる

空間デザインの用語で「眺望・隠れ場理論(Prospect-Refuge)」というものがある。

眺望・隠れ場理論
視界が遮られない場所と、身を隠すことができる場所、
そして退路が備わる環境が好まれる現象。
ー 要点で学ぶ、デザインの法則150より ー

想像だが、これは生物としての人間の本能に基づくものなのだろう。

敵である大型動物などを早く発見するための「視界が遮られない」場所。
見つけたら、その動物から「身を隠すことのできる」場所。
そして危険が迫った場合に「退路が備わっている」場所。

もちろん、現代の生活において、生命の危険を感じるような状況は(皆無では無いが)存在しないだろう。
しかし、昔からの本能はまだ残っているため、「眺望・隠れ場理論」に基づいた場所は人を安心させる、と考えることができる。

空間デザインだけでなく、これは人間のあらゆる活動において重要な要素なのではないかと思う。
視界が遮られない場所を確保する、経営用語で言えば「見える化」だろうか。視界が不透明なのは、仕事にせよ人生にせよ気持ちの良いものではない。
身を隠すことができる場所。ひとり、匿名の存在になれる空間は人生に必要だろう。それはひとりで行くバーかもしれない。私が時折行う「ひとり合宿」もそれに相当する。

ひとり合宿その8〜プラハ

そして、例えばうつ病など、抜き差しならない状態になった場合の「退路」。個人の場合、それはたとえば家族の献身的なサポートかもしれない。経営で言えば、十分なキャッシュを持っていることであったり、相互に影響を受けない複数の事業基盤だったり。

見渡せる、隠れられる、いつでも逃げられる環境。物理的な意味でも、精神的な意味でも。
きちんと確保できているだろうか?

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