同じ状況だとしても、光の当て方によってそれは強みにもなり、弱みにも見える。
従業員が少ないのは強みか弱みか
例えば従業員が少ないこと。
これは例えば大量の仕事を受注できない、メンバーの誰かが体調を崩せば戦力が激減するなどと言った弱みとなる。
しかし視点を変えれば、少数精鋭であるとか、小回りが効くとか社長の方針が徹底されやすいという強みとして主張することもできる。
補助金仕事の「光の当て方」
補助金の仕事も同じだ。
数多くの受注をしているコンサル会社(例えば当社など)は、採択数の多さや受注可能件数の多さ、それがもたらす経験の豊富さをアピールする。
受注が少ないコンサル会社は、一つ一つの案件に丁寧に対応している(だから受注件数が少ない)とアピールするだろう。
「光の当て方」こそがポジショニング
「光の当て方」こそがポジショニングだ。
評価軸をどうするか、他社との立ち位置の違い、それを自分が有利になるような「場所」を設定して宣伝する。
ポジショニングで失うもの
ポジションが決まると、受注できない仕事も増える。
例えば当社は顧客とのやりとりは基本メールと電話になる。
顔合わせ、現場を見たいといった理由でなるべく初回は訪問するようにしているが、それでも「リアルで会ったことがない」顧客も多く存在する。
毎回足繁く訪問することを希望する顧客であれば、おそらく当社のサービスには不満を持ち、そういう「フットワークの軽い」コンサル会社に移ってしまうだろう。
仕組み化できなければ
だからと言って顧客の希望通りに個別対応していれば、業務の仕組み化はできない。
どんなに人が増えても、仕組み化できていない組織は一人親方の寄せ集めでしかない。
当社は仕組み化を行い、当社のポジションに合致しない顧客には「受注できない」とお詫びし、合致した顧客に全力投球するようにしている。
失う仕事も多い。経営者として顧客の期待に応えることができないのは悲しいし、こんな態度ではいずれ顧客を失うのではないかと怖い。
「選択と集中」、コンサルがよく使う言葉だ。経営コンサルタント(中小企業診断士)である自分がそれに躊躇しているのは、笑い話にしかならないな。