叩き台があれば

中小企業診断士という仕事柄、経営者と話す機会は多い。

成功した経営者でも、自分が何をやっているか、どう考えているかをきちんと言語化できる人はまれだ。
思い込み、勘違い、分析不足・・・・・人間には様々な思考の偏り(バイアス)があり、それらの存在を知らなければ回避せず、間違った結論にたどり着いてしまう。

そこで、「叩き台」を用意する。
「雛形」や「プロトタイプ」でもそう意味は違わない。
チェックシートや穴埋め用紙のようなものだ。
事業計画を一部作成するのも良い。嘘や間違い、勘違いが入っていても(この時点では)構わない。

叩き台さえあれば、経営者それを元に「この数字はこう」「ここは間違っている」という判断ができる。

時間があるときは経営者とじっくり話をし、現場からヒアリングをし、全体像を把握した上で事業計画を作成する方が良いのは間違いない。
しかし、時間がない場合、及第点の計画で目的を達成できる場合は、まずは解像度が低くてもいいので「叩き台」を作成した方が上手くいく。

もちろん叩き台にはデメリットもある。相手の思考に枠をはめ、一定の方向に誘導してしまう危険性は意識しなければならない。
デメリットを回避するには、叩き台の精度を高めることだ。解像度は低くても良いが、適切な範囲をカバーするといえばいいだろうか。

よい経営コンサルタントは、少ない情報から適切な「叩き台」を作れるのだと思う。

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