入念な準備は、成功のために必要なことだと思う。
しかし、それも程度問題だ。
あらゆる可能性を想定して、
どのパターンでも対応できる資料を作成して、
クライアントの反応を想定した問答集を用意して・・・・
ここには品質に対する「完璧主義」はあるけれど、
スピードやコストに対する意識がない。
見えにくいコスト
「念のため」を徹底すれば、
その分納期は遅くなる。
「念のため」を徹底すれば、
残業が増え、社員は増え、
人件費がかさんでいく。
サービス残業が常態化している会社は、
従業員を長時間働かせても
人件費が増えないので、
完璧主義とスピード、コストを
(一見)両立させることができる。
しかし、それでも発生するコストがある。
それは、従業員の精神だ。
この手の会社は従業員を死ぬまで(比喩にならないこともある)
こきつかうので、精神を病んだ従業員が続出する。
人の入れ替わりが激しければ、
採用コスト・教育コストをはじめとする
「見えにくいコスト」
が企業にのしかかることになる。
ノウハウも蓄積しないので、
長期的には競争に敗れてしまう。
「念のため」の前に考えること
「念のため」に何かをやろうとするとき、
立ち止まって考えてもらいたい。
その「念のため」に、いくら払えるだろうか?
「念のため」の出来事が発生する確率はどれくらいか?
「念のため」を実現するために、スピードを犠牲にしていないか?
「念のため」の作業で、従業員に無理を強いていないか?