イノベーションは偶然起きる。だったら

あくまで個人的な観測範囲の話だけれど、
イノベーション!イノベーション!って言っている人がイノベーションをおこしたのを見たことがない。

計画的にイノベーションをおこすというのは、不可能とまでは言わないが
とても難しいことなのだろうと思う。

一般的にイノベーションと呼ばれるような発明は、偶然の発見から始まっていることが多い。
ポストイットも、ペニシリンもそうだ。

イノベーション担当役員が社長の肝いりで設立した
「イノベーション部イノベーションチーム」が不眠不休で研究した結果、
画期的な発見が生まれたというケースは寡聞にして知らない。

仕方なくやったことが成功を生む

中小企業診断士の仕事をしていると、ある企業が「桁外れの成功」をおさめる場面に偶然立ち会うことがある。
新商品の大ヒット、前年比数倍の売上や利益、事業転換の成功・・・・・
広い意味ではこれもイノベーションだと思う。

クライアントで、ネット通販を手がけ成功し大きく業績を伸ばした会社がある。
成功のきっかけは何だったのか?
詳しくは書けないが、システム上の都合から商品点数を減らしたことが理由だった。
結果として専門性が高まり、検索順位が上昇し、業績があがったとの社長の見解だった。

業績が上がり利益が出れば、広告費の原資が生まれる。
あとは広告を積極的に投下し、さらに業績を拡大・・といった、
いわゆる正のスパイラルを発生させることができた。

その会社はいまも成長を続けている。

狙ってやったわけではない。むしろ仕方なくやったことがたまたま成功に繋がった。
もちろん、日々の地道なサイト改善の努力と、偶然から得た利益を再投資するという
社長の経営判断があってこそ、この成功を引き寄せたとも言えるが。

偶然の回数を増やす

経営者から「この事業は成功しますか?」と聞かれることは多い。

正直なところ、わからない。
私が未来を予測できるのなら、いまごろ株で大金持ちだ。
なので、中小企業診断士が経営者の事業プランを軽々に否定すべきではないと思う。

ただ、地道に努力して、時々巡り会うであろう「偶然のチャンス」を
うまく捕まえることができたら、
成功する可能性は高まるはずだ。

イノベーションは偶然起きる。
ならば、ポイントは試行回数を増やすことと、チャンスに敏感になることだろう。

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