先日のことだ。某出版社からメールが届いた。
「取り組みをWeb上で見て」「中小企業診断士として活躍」と書かれている割には、具体的にどんな取り組みを見たのか、活躍している内容は何か、などということには一切言及がない。
同業者に聞くと、まったく同じ内容で宛名だけが違うメールが届いているそうだ。
しかもその同業者はホームページもまともにないし、SNSにもほとんど露出していない。
取り組みをWeb上で見るのは不可能だ。
こんなテンプレートのメールを送りつけて、バレないとでも思っているのだろうか?この編集者とやらは。
有料で出版をさせてもらえるそうだ。
個人出版で大量の在庫を抱えさせられ、あまつさえ広告宣伝費も自己負担というパターンだろうか。
出版するという行為はわれわれ経営コンサルタント業にとって魅力的だ。
私は6年弱のあいだ、福岡県中小企業団体中央会の会報(月刊)に連載を持っている。いろいろな人が見てくれていて、そこから仕事が来ることもあり、なんらかの媒体に載るという効果は自分も実感している。
だからこそ、こういうビジネスが成り立つのだろう。
他にも、雑誌に昔有名だった芸能人との対談記事を載せるからといって購読料を取るビジネスなんてのもある。インタビュー動画をサイトに掲載するというのも。
いずれも、経営者や専門家のプライドをくすぐって金を出させるビジネスだ。
別に否定はしない。ただ、この編集者が本気で仕事取りたいのであれば、もう少しターゲットを絞って、各人向けにカスタマイズした方がいいのではないかと。
「私に向けて書かれている」と相手に思ってもらえるのが、いい広告の姿だと思う。