起業、それしかできないから。

起業。自分が起業家だと思ったことはただの一度もない。
法人作って、人を雇って、サービスを提供してお金をもらってはいるが、
「さあ、起業するぞ!世界を変えるぞ!」と意気込んで何かをした記憶はなく、
単に来た仕事を受けていたら手が足りなくなり、事務所を広げ人を雇って、気づいたらそれなりの規模になっただけだ。

起業家を目指す、という言葉がそもそもおかしい気がする。
目指すべきは具体的な製品やサービスの提供者になることであり、起業それ自体は目的達成のための一つのパラメータに過ぎない。

かっこいいから?

以前、「連続起業家」になりたいという若者の話を聞いたことがある。
彼に「具体的に何をやりたいのか」と問うても、曖昧な返事しか返ってこない。
彼には、製品やサービスの内容はどうでもよかった。
ただ、起業で成功し、それを売却し、さらに起業をする・・といったイメージに憧れていたのだと思う。

何のために起業するのか

もしお金持ちになりたいなら、起業するなんて、費用対効果が悪すぎる。
事業がうまくいかず、新入社員ほどの給料も取れていない社長なんて山ほど知っている。
上場して株の売却で大金持ち?我が国で上場している企業の比率は0.1%以下だが、それに入れると本当に信じている?
金持ちになりたいのなら、高い給料と安定した地位が得られる一流企業に入り、そこでコツコツ貯蓄しながら一部を投資に回し、仕事に励み社長を目指すのが一番効率が良い。面白いかどうかは知らないが。

もし承認欲求が得たいのなら、起業するなんて、やはり費用対効果が悪すぎる。
SNSで高級車に乗ってるアピールでもすれば、友人たちと楽しく遊んでいるシーンをアップすれば、承認なんて簡単に手に入るのだから。
成功確率1割以下の取り組みをやって承認を得ようとするなんて、ギャンブルすぎるだろう?

もし自由な生き方がしたいのなら、起業するなんて、これまた費用対効果が悪すぎる。
社長は自由ではない。取引先、社員、パートナー・・関係各位の思惑にがんじがらめになっており、
常に仕事に追われて、自由なんてない。
#ちなみに、私が昨年、出社しなかったのはわずか20日だ。345日は会社にいて、仕事をしていた。これも自分で自由に選択した結果ではあるけれど。

自由な生き方がしたいのなら、投資家になることをお奨めする。勝ち続ける限りは、自由だ。

それしかできなかったから

私には野望も大義もなかったけど起業した。
最後の会社を辞めた時に、自分はサラリーマンに向いていないなと痛感した。
なら仕方がないから自分でやろう、そう思った。それだけだ。

そんなポリシーのない会社でもそれなりにやっていけるのだから、
経営理念だのなんだのと変に気負うことなく、起業すればいいと思う。
金持ちになりたいからではなく、認められたいからではなく、自由になりたいからではなく、それしかできないから。
理由なんてそれくらいで十分だろう。
近所の八百屋が「世界を変える!」とか考えて起業したと思う?

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