十日恵比須で考える、非合理を越えた合理

十日恵比須に行ってきた。
福岡市近郊以外の方向けに捕捉すると、
10日前後に福岡市東公園内にある神社で行われるお祭りで、
福岡で商売をしている人のほとんどが参拝するというものだ。

大学時代を福岡で過ごしたが、
このお祭りの存在を知らなかった。

社会人になって、大企業の福岡支社で
働いていた時も知らなかった。

このお祭りの存在を知ったのは、
福岡地場の会社に転職してからだ。

私の観測できる範囲では、
同じ福岡県といっても北九州市や久留米市の方には
あまりなじみがないようなので、
福岡市とその近辺だけのローカルなお祭りなのだろう。

福引き(2千円)が特徴で、くじに応じて
おめでたい感がたっぷりの景品が当たる。

今回は熊手だった。

いつ参拝するかで商売へのスタンスがわかるような

毎年、早朝6時頃に参拝している。
お祭りは4日間行われ、深夜まで人の流れが途切れない。
ただ、早朝であれば並ばずに参拝と福引きができる。
今回は天気も悪かったからか、すぐにお参りできた。

1月、仕事始めの忙しい時期に行列で時間を潰したくないので、
いつも朝に来ている。
友人の経営者達と混み合った時間帯に
行列に並んで参拝するのも
ひとつのエンターテインメントだと思うし、
それはそれで楽しいのではあるけれど、
なぜか1月は忙しいことが多い。

仲間と連れ立って参拝する経営者、
一人で来る経営者。

空いた時間に来る経営者、
混み合った時間に楽しんで行列に並ぶ経営者。

商売の神様だからというわけではないが、
参拝一つとっても、経営者の商売に関するスタンスも出ているのかなと思う。
#もちろん、時間の都合で選択肢のない人も居るだろう。

ビジネスモデルの強さ

ここの福引きシステム(敢えてそう言う)は、
素晴らしいビジネスモデルだ。

江戸時代からあるのだろうか?
お賽銭は金額をコントロールできないけれど、
福引きなら価格設定もできて、
原価計算も容易だ。

何より、縁起物ということで
顧客は支払いを惜しまない。
むしろ喜んでお金を出している。

関係者に聞くと、この4日間で数億円の売上(この言葉が適切かどうかはわからない)が上がるそうだ。

一見非合理なことの合理性

参拝したくらいで商売が上手くいくなら苦労はない。
去年この神社に参拝した福岡の経営者も、
おそらく何人もが破産の憂き目にあっただろう。

では、参拝することは非合理的だろうか?
それは違う。
福岡市内およびその近郊の商売人が皆参拝している、
同じ文化を共有しているということに意味がある。

一見不合理だけれど、そこには同じ地域でビジネスを
しているものたちの仲間、共同体に参加しているという表明であり、
商売を円滑に進めるための一種の儀式の役割を果たしている。

単純に参拝だけを見れば非合理的だけれど、
少し視点を広げれば、合理的な行動がそこに見えてくる。

まあ、こんなことをつらつら考えるのは
理屈っぽい経営コンサルタント(中小企業診断士)くらいなもので、
単純に新年を祝いつつ、福引きと露店を楽しめば、それでいいのだろう。

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