「戦略」「戦術」「ターゲット」・・ビジネスの話をすると、戦争用語が頻出する。
類似点が多く、使いやすいのだろう。
しかし、戦争とビジネスでは決定的な違いがひとつある。
戦争はいつか終わる。しかし、ビジネスが終わることはない。
仮に競合他社との競争に勝ったとしても、新興国(新企業)が続々と参戦してくる。
講和条約も結べない(談合になってしまう)し、競合を破産させるまで追い込むことも通常は困難だろう。
日露戦争は終戦の「落としどころ」を見据えた上で行われ、実際にうまく「落とす」ことができた。
戦争が継続していたら、日本はロシアに負けていたかもしれない。
戦争と違い、ビジネスに落としどころはない。競争から降りるまで、戦いは続く。
短期決戦はできない。講和も期待できない。
攻撃(営業)は言わずもがな、兵站・補給(バックオフィス、資金、設備、システム)の充実が生命線だ。
ビジネスを戦争のつもりで戦ってはいけない。戦争をし続けることはできない。
むしろ、ずっと続くという意味では「外交」だとそのスコープを広く解釈した方が、よりよい戦略が描けるのではないだろうか。
外交の一つの手段として「戦争」が含まれるわけだから。