3Cとは、企業の経営戦略を検討する際に「顧客(カスタマー)」「自社(カンパニー)」「競合他社(コンペティター)」の3つの視点から考える手法である。
それぞれの頭文字がCであることから、3Cと呼ばれている。
この3つについて考えることがなぜ重要なのかは、どれかひとつが欠けた状態を想像してみるとよくわかる。
「顧客」と「自社」のことばかり考えていると、「競合他社」に出し抜かれてしまう。
「自社」と「競合他社」との競争にばかり気を取られていれば、「顧客」のことを無視したビジネスを行ってしまい顧客離れを招く。
「顧客」と「競合他社」のことばかり気にすれば、「自社」が何ができるかを見失ってしまう。
3つのCが矛盾なく繋がっていることが重要なのだ。
3Cを使っていると、3つのCだけでは足りない状況が出てくる。その場合も「いや3Cは3Cだ、項目を増やしてはならない」と教条的に考えるのではなく、状況に合わせて気軽に項目を足せばよい。
筆者はそれを3C+Cと呼称している。
よく使うのは、3Cに環境(サーカムスタンス)を足したものだ。
環境問題に関わる事業や、政府の規制が強い業界など「環境」が重要になる事業では環境の項目を追加して考えることでより正確な分析ができるだろう。環境は、顧客にも自社にも競合にも、それぞれ違う形で影響を及ぼす。
3C+Cは筆者が同業の先輩から聞いた話や自分の経験をもとに3Cを改良したもので、経営の教科書には載っていないものだ。
学者の先生には批判されるかもしれないけれど、現場と向き合う中小企業診断士の筆者としては、フレームワークはあくまで手本であり現実に即して柔軟に改良していくものだと考えている。