高邁な理想と、現実のお金と

当社にはいわゆる「ミッション・ビジョン・バリュー」なるものは存在しない。
これは作ってないのではない、敢えて「作っていない」。
人の気持ちは変わるし、機を見て臨機応変に動いた方が物事がうまくいく可能性は高い。
そんな時に、ミッションやビジョンが邪魔になることがあると思っている。

いや、戦術は柔軟でいいが、ブレない軸が必要だ、それがミッションだ、と
言われるかもしれない。(特に同業者から言われそうだ)

でも、あなたは見たことがないだろうか?高邁な理想をHPに掲げているブラック企業や、
目立たないけれど、地に足のついた経営をしているとても素晴らしい企業を。
ブレないがゆえに、機敏な方向転換ができず潰れた企業を知っているのではないか?

高邁な理想を掲げている素晴らしい企業ももちろんある。
しかしそこには因果関係はない。理想が高いから素晴らしい企業になったわけではないと思う。

どんなに高い理想を掲げても、企業とはとどのつまり利益追求団体であり、儲からなければ潰れてしまう。
理想が儲ける邪魔をするのなら、企業の存在意義からして、本末転倒な気がしないでもない。

まずは安定した利益を継続して出せる仕組みを構築する。当社はまだその段階には至っていない。
それができたのなら、その後に生まれた暇な時間で「ミッションやらビジョンやら」を考えればいいと思う。
社長単独でもいいし、社員みんなで仲良く話し合ってもいい。

今にも潰れそうな会社が語る高い理想なんて、誰も聞いてはくれないのだ。

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