責任の分散

シーシュポス

「共同責任は無責任」という言葉を聞いたことがある。責任を分散すれば楽になったような気がする。3人ならば一人当たり33%に、4人ならば25%になったような気がする。実際には、全員が100%の責任を追っている。ちょっと違うけど、連帯保証人みたいなもんだ。他の人が100%負担してくれるのなら、私だけでも責任を回避することができるのではないかと考えるのも、宜なるかな。

社長(厳密にいうと代表取締役)をしていると、全ての責任は自分が背負うことになる。たとえ社員全員で話し合って決めたことでも、責任を負うのはいつも社長一人きりだ。社員のミスの責任も社長が全て背負う。

かつて経営コンサルタントの一倉定が言った「郵便ポストが赤いのも社長の責任」という言葉、自分がまだ個人事業主で、まともな経営をしていない頃は「何もそこまで自責的にならんでも」と思っていたが、社員を雇い、取引先が増え、責任が重くなってきた今は、「郵便ポストが赤いのは総務省の責任だけど、それも自分の責任だと思うくらいの覚悟がなければ、自分がしてないことにまで責任を負うという、この理不尽さには耐えれないな」と考えを改めるようになった。

共同経営者がいたとしても、責任は分散できない。分散を「偽装」することはできるが、気休めに過ぎない。できることといえば、責任というのものをあまり深刻に捉え過ぎないことくらいだ。真面目に考えすぎると、頭がおかしくなる。

関連記事

  1. パズルを組み合わせる

    経営資源を列挙し、その一部が失われることを想像する。

  2. 考える段階は終えて、小さな行動と反応の繰り返しを

  3. 企業の「基礎疾患」

  4. 万能、マルチタスク

    中小企業の社長はC*O

  5. 値切る人が損すること

  6. デジタルで伝える

    ロジカルに考え、エモーショナルに伝える

最近の記事

  1. 言葉に力がある
  2. 2025.11.13

    2025年モデル
  3. 2025.11.11

    紅葉
  4. 2025.11.10

    勉強グセ
  5. ゼロの集合

    2025.11.07

    確実なゼロ
  6. シーシュポス

    2025.11.04

    責任の分散

読書記録(ブクログ)