老眼ではなかった

数年前から本を読むのがしんどくなってきていた。文字にうまくピントを合わせることができない。ああ、いよいよ老眼が始まったか、まあトシだもんなあと、老眼鏡を買った。文字が綺麗に、大きく見えるようになった。プラモデルの作成など他の趣味も楽になった。

とはいえ、メガネをつけたり外したりするのは面倒だ。趣味の時間はかけっぱなしでいいのだが、仕事中はそうはいかない。資料を読む時はメガネをつけ、PC操作の時や社員と話すときはメガネを外さなければいけない。

老眼鏡を使い出して数年が経ったある日、「老眼も進んだことだし、目をしっかりケアしないとな」とふと思い、ドラッグストアで目薬を買った。目薬の成分には詳しくないので、なんとなく効きそうな感じのもので、それほど高くないものを。

目薬を頻繁に刺すようになったら、老眼鏡なしでも本が読めるようになった。はっきり文字が見える。特に問題はない。・・・・・どうやら、老眼ではなく単に目が疲れていたとか栄養不足とか、そういう理由だったようだ。

自宅、会社、移動用とたくさん購入した老眼鏡は不要になってしまった。いつか、本当の老眼がやってくるそう遠くない未来まで、引き出しの中にしまっておくことにしよう。

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