誕生日を迎え、50歳になってしまった。半世紀も生き延びてしまった。35歳の頃にサラリーマンは向いていないと(遅ればせながら)気づき、独立して、なんとかここまでやってこれた。いくつかの幸運が重なり、自分の実力からしたら分不相応に思えるほど、色々なものを得ることができた。自分が50歳になったときにこんな状況になるとは、全く想像すらしていなかった。
年齢に特にこだわりはない。単なる数字に過ぎない。50歳が一区切りという感じがするのは、人間の指が10本で、10進数を採用しているからに過ぎないと醒めた目で見ている。
年齢は一つの指標であって、しかもそのウェイトはそれほど高くないと思っている。人格者の若者もいれば、どうしようもない老人もいる。年齢を感じさせないバイタリティと外見の高齢者もいれば、年齢よりも老け込んだ方もいる。
とはいえ、世間は年齢で人を判断するということも事実。年相応の威厳や貫禄を身に付けたいところではあるが、私に対する周囲の対応を観察する限りでは、それらは全く身についていないように思える。まあ、これからも無理なのだろう。
老人になっても、他者から頼りにされ、仕事の依頼をいただき、対価を支払ってもらえるのであれば、それはありがたいことだ。期待に応えられるよう、引き続き精進したいと思う。ただ、もう少し休みを増やしたいところ。友人とは「俺たちは多分仕事をしながら死ぬだろうな」と言い合っているが、実現してしまいそうで、あまり笑えなくなってきた。