話題はなんでもいい。経営でも、人材育成でも、なんなら趣味でも。誰かと話していて「何かうまく噛み合ってない気がするな」とか「なんでこの人はわかってくれないんだ」とか思ったのなら、相手と自分との「初期設定」が異なることを疑った方がいい。
例えば、性善説に立つ人と性悪説に立つ人が社員のマネジメントに関して議論したら、話が噛み合うわけがない。強くて能力があり、自制心のある個人を想定したテレワークの議論と、弱くて状況に流されやすく、集団の方が力を発揮できる個人を想定した出社強制の議論はずっと平行線を辿るだろう。
先日、ネットで「出社強制をする会社からは退職するのも手」と言う議論を見かけた。まあそういう考え方もあるのだろうが、どうもイデオロギー臭が強すぎる。まあ話し手はフリーのコンサルか何かなので、一般の会社員とは「初期設定」が異なるのだろう。そこに当人は気づいているのだろうか?
(私の話を理解してくれない)「この人は愚かだ!」とか思うのはちょっと待って、「初期設定が、前提条件が異なるだけでは?」と疑問に持ち、そこを丁寧に確認していった方が、より良い人生を送れるように思う。残念ながら、本当に議論にならない相手もいることはいる。そんな人とは、微笑みながら距離を置くしかない。