中小企業診断士(士業)なので、士業の知人も多くいる。ここ最近、複数の士業法人(税理士法人や司法書士法人)から、解散したとの連絡があった。別に廃業したわけではなく、2人の士業でやっていた事業を分割して、個人事業主に戻るという意味だ。
士業法人は複数の士業がいないと設立できない(例外もある、確か社労士は一人でもいけたと思う)。議決権は一人一票で、無限連帯責任だ。一方がやらかしてしまったら、その責任はもう一方にも100%及ぶ。よほど信頼できる人とじゃないとパートナーシップを結べない制度だよな・・と、以前から思っていた。
どんなに信頼できて馬が合う人でも、その後長期にわたって信頼できるか、同じ方向を向いていられるかは、誰にも予測できない。上下関係はないので、意見が衝突した場合にそれを強引にでも解決する手段もない。「お前とはもうやってられない!」となれば、法人は解散となる。私の知人の士業法人に何が起きたのかまでは把握していないが・・・
ちなみに中小企業診断士法人というのは存在しない。私は普通に株式会社を作って経営している。
通常の法人における共同経営なら、揉めた場合でもどちらかが出ていくことで法人は存続できる。個人的には共同経営はお勧めしない。どうしてもやるなら、上下関係は明確にした上でやることをお勧めする。役員や社員なら、最悪は解雇できるが、共同経営者ではそう簡単には行かない。まかり間違えば、組織ごと崩壊してしまう可能性だってある。
永遠に続くものはない。企業も、人間関係も。ほんのちょっとのエラーで簡単に崩れてしまう。だからこそ、長く一緒に同じことができる関係というのは、とても貴重で代え難いものなのだと思う。