システム開発の世界で「ペアプログラミング」という手法がある。
2人のプログラマが1台のマシンを操作してプログラミングを行う手法。(中略)
実際にキーボードを操作してコードを書く人を「ドライバ」、もう1人を「ナビゲータ」と呼ぶ。30分ごとか、単体テストを1つ完成させる度に役割を交替するのがよいとされる。また、1日に一度の頻度でパートナーを変えるのがよいともされている。
文章作成でこれをやっている人は見たことがなかった。完成後にやる「校正」の作業がそれにあたるのだろうが、その作業は最後にやるもので、作成途中で自分以外の誰かと「ペア」で立場を入れ替えつつ作業をしていくことはないだろう。コンビの漫画家や小説家、例えば藤子不二雄とかはそうしていたのかもしれないが。
今は、生成AIの力でそれができるようになった。自分で作った文章をレビューしてもらうことも、文章の後に続く内容を提案してもらうことも、なんなら書いてもらうことも可能だ。しかも24時間365日対応。人間みたいに「その言い方はないだろう!」と気分を害することもない。うまくすれば、自分の「個性的な文章」を、さらに個性的にしてくれるかもしれない。
全員に高性能の武器が与えられた。それを使いこなせるかどうかで差が出るのは間違いないが、使いこなせたもの同士の戦いであれば、結局はその人の能力なり個性が勝負を決めることになる。つまり、これまでと何も変わらない。















