雑草、たくましい

「弱者の戦略」という本を読んでいる。経営の本では無い、生物学だ。

この本には、弱肉強食といわれる自然環境のなかで、弱い生物がどのような生存戦略をとっているかが書かれている。
経営学の難しい話を、中小企業の経営者にわかりやすい例え話で語るときに使えそうだ。

雑草についてかかれた一節より。

植物の世界では雑草は強い植物であるとはされていない。むしろ、雑草は「弱い植物である」と言われている。
<中略>
ただ雑草をなくす唯一の方法があるとすれば、それは「草取りをやめること」であると言われている。
草取りをしなくなれば、競争に強い植物が次々と芽を出して、やがて雑草を駆逐してしまう。
ー弱者の戦略/稲垣 栄洋著

雑草というと、たくましい植物というイメージがある。
「雑草魂」というフレーズで紹介される野球選手もいた。
ところが、雑草というのは植物間での競争にはとても弱いそうだ。

植物同士が自由に競争する森の中では、雑草は生育できない。勝負に負けてしまう。
他の植物との競争に勝てないから、草取りが頻繁に行われる畑や、人間に踏まれてしまう道端や道路沿いなどの環境が悪い場所で育たざるを得ないのが、雑草の真実だ。

たくましいわけではない、ただ、か弱い自分の生きる場所を探していたら、そこしかなかった。

雑草のように経営するという意味

中小企業は雑草のように生きるべきだ。しかし、大事なのは精神力ではない。
「雑草のように」というのは、踏まれてもへこたれない、とか、抜かれてもまたすぐ生える、という「不屈の精神」を意味しない。

中小企業が大企業にイーブンルールで競争に勝つことは難しい。
それは、雑草が自然の森のなかで生きることができないのと同じだ。

だから、大企業が来ない場所で戦う。競争相手がいない場所をつくる。自分が優位になれる場所を確保する。
雑草の戦略で真似すべきは「たくましさ」ではなく、「自分が勝てる場所を探す」というポジショニング戦略のうまさだ。