ものの見方は一つではない。
こうして文字にすると、「なんだ、当たり前じゃないか」と言われそうだ。

でも、あらためて考えてみてほしい。
日常、つい「正解はひとつ」だと思って仕事をしたり交渉したりしていないだろうか?
今回は、ものの見方をアップデートする「視点・視野・視座」の考え方について書く。

「事実」と「真実」と「解釈」

「真実などない、あるのは解釈だけだ」という名言を残したのは有名な哲学者のニーチェで、筆者はこの言葉をとても気に入っている。
勘違いしてはいけないので補足すると、「真実」はないが、「事実」はある。
たとえば、我が社の売上げが前年比で15%低下した、
これはまぎれもない事実だ。

しかし、売上げがなぜ低下したのか?を考えたとき、
おそらくどこまで考えても「真実」(本当の答え)にはたどり着かない。

現実社会においては関連する項目(パラメータ)があまりにも多くかつ複雑に絡み合っており、
数学の式のようなエレガントな解答を導き出すことは難しい。
理屈の付け方によって、複数の解釈が存在するだろう。
神様ではない我々にできることは、せいぜいその解釈のなかから「もっとも正解に近いと推測できる」ものを選ぶことくらいだ。

余談になるが、国際政治なんてまさに「自国に有利な解釈」のぶつけ合いそのものであり、
真実なんて誰も求めていない。
話せば分かる、なんて甘い考えは通用しない世界だ。

視点・視野・視座

というわけで、ことビジネスにおいては、
「何が真実か」の見果てぬ探求ではなく、
「正解に近い解釈」を短時間で見つけることの方が大事である。

「正解に近い解釈」に到達するためには、柔軟なものの見方が必要になる。
思考を助けるための道具として、今回は「視点・視野・視座」という考え方を紹介する。

図1

それぞれの解説については次回以降で。

ものの見方を考える②〜視点、視野 | (株)フロウシンク 中小企業診断士 米倉博彦